正社員と非正社員、格差の背景は― 横浜で講演会

 働く人と研究者らによる講演会とパネルディスカッション「非正規雇用を考える」が23日、横浜市市民活動支援センター(同市中区)で開かれた。非正規雇用で働く人の声を実際に聞き、社会情勢や多様化する生き方について考えることが目的で、フリースペースなどを運営するヤングコミュニティの主催。

 会では、立正大学准教授の関水徹平さんが講演。労働者全体の約4割が非正規雇用で、それには賃金の節約など働かせる側の都合があることなどを説明した。

 また、正社員と非正社員の格差は、企業の経済成長を通じて国民の生活保障を図る「開発主義」と、男性が家庭内で優位に立つ「家父長制的ジェンダー関係」が結びつき、男性正社員が家族の生計を賃金で支えるモデルが確立したからという背景を指摘。「急速に雇用が変わり、想定されていなかった非正規雇用だけで生計を立てる人が増えた。非正規に限らず、今の雇用で問題を抱えていると、労働者が声を出すことが必要」とした。

 アルバイトなどで働く若者と関水さんらによるパネルディスカッションも行われ、「正社員に合わせてシフトが作られているが、必ずしも正社員が働きやすくは見えない」などの声が上がった。

非正規雇用の当事者らが経験などを話したパネルディスカッション=横浜市中区

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