日本映画として21年ぶりにカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した作品「万引き家族」の撮影の一部が神奈川県綾瀬市内で行われたことから、是枝裕和監督や出演者のサイン色紙、台本を紹介する企画展が同市役所で開かれている。市と地域住民有志でつくる綾瀬ロケーションサービスが「快挙を祝いたい」と企画。大勢の映画ファンらが足を運び、関心を集めている。
同作は家族のつながりとは何かを問う作品。樹木希林さん演じる初枝の年金を頼りに、足りない生活品を子どもに万引させるなどして生活する家族の姿を描いている。
市内での撮影地は個人宅と緑道。個人宅は、初枝と暮らす亜紀(松岡茉優さん)の実家の設定で、初枝が亜紀の父・譲(緒形直人さん)の元を訪れる場面で撮影された。初枝が帰路に就くシーンでは、同市早川城山の緑道「城山こみち」も舞台となった。
同市では知名度向上などを目的に、映画やテレビドラマのロケ受け入れに力を入れている。今回の撮影は、制作会社から「閑静な住宅地を探している」との要望を受けて選ばれた場所で、撮影は昨年12月に行われた。
市役所1階玄関付近には、是枝監督や樹木さん、緒形さんら計5人のサイン色紙や台本を展示。市商業観光課は「国際的にも評価を得られた作品。お祝いの意味も込めて、快挙の喜びを市民と共有したい」と意図を説明する。
同展が6月12日に始まって以降、市内外から映画ファンらが見学に訪れている。展示に見入っていた海老名市内の女性は「日本の映画が認められたのはうれしい。住んでいる所の近くが撮影舞台になって、いっそうの親近感を覚える」と話していた。
会期は映画公開期間中で、7月末までを予定。午前8時半~午後5時。観覧無料。問い合わせは、同課電話0467(70)5685。
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