投票に行かないと罰則!W杯出場国の中で最も投票率が高い国はオーストラリア。では日本は何位?

連日、熱戦の続くワールドカップ。日本代表がコロンビア代表に勝利した試合は、両国のFIFAランキング差が45(日本61位、コロンビア16位)であったことが話題となりました。

さて、選挙の世界でも、それぞれの国をランキングにすることが出来ます。ワールドカップ出場国を比較してみましょう!

投票率が最も高いのはオーストラリア

図表1では、ワールドカップ出場国の国政選挙(議会)の投票率を比較しています。
投票率が最も高いのは、オーストラリア91.0%で、ウルグアイ89.6%、ベルギー89.4%と続いています
この3か国は義務投票制を採用しており、正当な理由なく投票しなかった時には罰金などの罰則が課せられます

また、義務投票制を採用していない国の中で最も投票率が高かったのはデンマーク85.9%であり、続いてスウェーデン85.8%です。
なお、気になる日本の順位は21位となっています。ちなみに、サウジアラビアでは国会に相当する諮問評議会の議員は国王が任命しており、選挙は行われていません

義務投票制をとっている国は10か国

有権者に対して投票することを義務付ける義務投票制は、ワールドカップ出場国のうち10か国で採用されています。(一部の州のみで義務投票制を採用しているスイスを加えると11か国)

投票しなかった場合の罰則の内容や、適用の厳格さは国によってまちまちですが、厳格に適用されている3か国(オーストラリア、ウルグアイ、ベルギー)の投票率は他の国よりも高くなっています。また、投票率上位10か国の中で、義務投票制を採用している国は6か国となっています。

女性議員の割合が最も高いのはコスタリカ

図表2では、女性議員の割合を比較しています。最も女性議員の割合が高かったのはコスタリカ45.6%で、スウェーデン43.6%、メキシコ42.6%と続いています。

なお、ワールドカップには出場していませんが、先日現職の首相として在任中に出産し、産休を取得することで話題となったアーダーン首相のニュージーランドの女性議員比率は38.3%です。

ちなみに、女性議員の人数で比較すると最も多いのはフランス225人になります。また、日本の女性議員比率10.1%は、ワールドカップ出場国の中では3番目に低い順位となっています。

日本では、国政選挙などで男女の候補者数を「できる限り均等」にするよう政党に努力義務を課す政治分野における男女共同参画推進法が5月に成立・施行されています。今後、同法が「多様な国民の意見が的確に反映されるために一層重要」としている男女が政策立案・決定に共同参画する機会の確保が進んでいくのか、注目されます。

ワールドカップで目にするあの国は?

ワールドカップ出場国を投票率と女性議員比率でランキングしてみましたが、ほかにも様々な比較が考えられます。熱戦に心躍らせつつ、出場国の選挙事情もちょっと調べてみる。そんな風にして、ワールドカップをきっかけに、世界とつながっていくのも面白そうですね。

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