W杯リポート中に突然キスの男に反撃、賞賛の声相次ぐ 日本―セネガル戦

By 太田清

リポート中のギマラエスさん。ツイッターから

 サッカー・ワールドカップ(W杯)日本―セネガル戦についてのリポートをしていたブラジルの女性リポーターに突然キスしようとした男に対し、リポーターが猛烈に抗議したことについて、SNSなどで「女性へのハラスメントを許さない立派な行為」との賞賛が相次いでいる。米FOXニュースなどが伝えた。 

 ポルトガルの「SPORT TV」などの仕事をしているジュリア・ギマラエスさんは24日、ロシアのエカテリンブルクでリポートしていたところ突然、見知らぬ男が身を乗り出しキスをしようとした。 

 ギマラエスさんは身をそらしてこれを避けた後、走り去ろうとする男に対し「やめて。礼儀正しくないし、正しくない行為よ。女性にこんなことをしないで。敬意を払って」と大声で叫び続けた。 

 ギマラエスさんは事件後、「幸運にもブラジルではこんなことを体験したことはないけど、ここロシアでは2度もあった。悲しいし恥ずべきことだわ」とツイート。ギマラエスさんによると、モスクワで行われたロシアとエジプト戦の際も同様な行為があったほか、攻撃的な振る舞いや不快な歌など数多くの嫌がらせに遭遇したという。 

 事件の映像はSNSなどで拡散。これに対しスポーツ記者の一人が「キスをしようとした男はろくでなしのばかだ。けど、ギマラエスさんの対応は素晴らしかった」とツイートするなど賞賛の言葉が相次いでいる。 

 W杯期間中には、コロンビアの女性リポーターがサランスクで生放送のリポート中、見知らぬ男に体をつかまれキスされる事件もあった。女性リポーターは抗議せずにそのままリポートを続けたが、その後、インスタグラムに「こんな扱いを受けるいわれはない。愛情とハラスメントの違いを明確にすべきだ」と批判。男は後にロシア人サポーターと分かり「無分別に行動してしまった。本当に謝りたい」と謝罪した。 (共同通信=太田清)

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