三芳合金工業、材料冷却用プール増設 熱処理工程を効率化

 銅合金の鋳造品・鍛造品メーカーである三芳合金工業(本社・埼玉県三好町、社長・萩野源次郎氏)は今月、本社工場の熱処工程に冷却用プールを増設した。熱処理後の材料を急冷するための設備。現行プールの4倍の容量があり、材料を素早く大量に冷やせることが特長。1日当たりの熱処理サイクルを増やして、効率や生産性を高められる。

 同社では納期対応力の強化や航空機・電子機器関連など成長需要の捕捉に向けて、加熱炉を中心とする熱処理工程を増強。今回のプールの増設はその一環としての取り組みとなる。2基目となるプールは銅に別の金属を溶かし込む溶体化処理に関する材料の急速冷却に使用する。

 プールの深さは約4メートル。これまで以上に大量の水で冷やすため、材料の温度を素早く均一に下げられることから、生産性・効率に加えて品質の向上にも貢献する。プールと併せて材料を沈めるためのクレーンも設置。冷却する材料を乗せるラックについては、自社材料の形状などに最適になるよう工務課で設計・製作している。

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