SRC造解体用の油圧圧砕機、古河ロックドリルが開発

 古河機械金属は26日、中核事業会社である古河ロックドリルが、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造解体用の大割用油圧圧砕機を開発し、7月から販売を開始すると発表した。

 3次元CAD解析を駆使した設計、高強度耐摩耗特殊鋼などの素材採用などにより、強度や耐久性の向上、耐摩耗による長寿命化を実現した。メンテナンスコストの低減や操作性向上による作業効率アップ、工期短縮が期待できる。販売目標は年間20台。

 同社は、解体市場向けに、油圧ショベルのアタッチメント製品である油圧圧砕機「Vシリーズ」として小割用油圧圧砕機「Vsシリーズ」、大割用油圧圧砕機「Vxシリーズ」、多機能型鉄骨カッター「Vcシリーズ」の3タイプを鉄筋コンクリート(RC造)や鉄骨造向けに販売してきた。今回開発した「Vz―7」はこれまでシリーズ化していなかったSRC造向けに開発したもの。

 同製品は、3次元CADによる解析技術を駆使し、高強度耐摩耗特殊鋼を採用したことでショベルの安定性につながる軽量化を実現。先端破砕力が990キロニュートンとクラス最大級の破砕力を有するほか、アーム根元に装備したカッター刃の全長は500ミリとクラス最長で、重量鉄骨鋼材の切断も可能となっている。

 フレームをスリムな形状としたことで狭い場所での操作性を向上させたほか、ピストンロッドにロッドガードを標準装備し、鉄筋による損傷を気にせず作業することができる。

 近年、国内では都市再開発におけるビル解体や大型プラントの解体、インフラ設備の老朽化などに伴う解体工事の需要拡大が見込まれている。現状ではRC造のビルなどの解体が主流だが、SRC造のビル解体、大型プラント解体も増加している。

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