【MLB】平野佳寿、圧巻の23戦連続無失点 制球力に称賛の声「打者をフリーズさせた」

23試合連続無失点を記録したダイヤモンドバックス・平野佳寿【写真:Getty Images】

上原の日本人記録にも「4」、解説者は「ウエハラと似通っている」

 ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手が26日(日本時間27日)、敵地マーリンズ戦の8回に4番手で登板し、1回2安打無失点に抑えて今季17ホールド目を挙げた。連続無失点試合を「23」に伸ばし、自身の持つ球団新人記録をさらに更新。球団記録の24試合連続無失点にも「1」に迫り、5-3の勝利に貢献した。地元メディアは、レッドソックスで絶対的守護神として活躍した上原浩治投手との共通点を挙げている。

 平野は2点リードの8回に登場。まずは先頭のブリンソンを91マイル(約146キロ)の直球で右飛に打ち取った。試合を中継していた地元テレビ局「FOXスポーツ1」で解説を務めていたのは、かつてソフトバンクでもプレーしていたC・J・ニコースキー氏。直球とスプリットの2球種で打者を抑え込んでいく姿に、上原の投球を重ね合わせた。

「見てもわかるように91マイルの直球ですが、スプリットとのコンビネーションが彼にはあるのです。どことなくウエハラと似通ったレパートリーです。ピンポイントの直球の制球力はとても大きな武器です」

 実況も「ウエハラと投球フォームはとても似ていますね」と返すと、ニコースキー氏は「『ストップ』からの『スタート』のように、投球フォームにおいてあのように動きを一瞬止めるのは、日本人にはあまり見られないことです」と両者に共通する特徴があると説明した。

「直球とスプリットの両方」が「突出した武器」

 平野はその後、ホラデーには死球を与え1死一塁としたが、続く代打・メイビンは直球で見逃し三振に。低めに制球された直球でメイビンを「フリーズさせた」と実況が伝えると、ニコースキー氏は「膝元にピンポイントに制球された直球です。頭の片隅に『スプリットが来るのか?』と思っているところに、実際は直球だと気づいても時すでに遅しです。スプリットが頭にある中でこの完璧に制球された90マイル(約145キロ)の直球です」とあらためて絶賛。直球の制球力があるからこそ、スプリットとのコンビネーションも生きると強調している。

 平野はディートリッチに中前打、アンダーソンには二塁内野安打を許し、2死満塁のピンチを招いたが、続くボーアを中飛に抑えて23試合連続無失点。防御率は驚異の1.29とし、上原浩治投手(現巨人)が2013年のレッドソックス時代にマークした日本人投手の最長無失点記録(27試合)にも「4」と迫った。球団記録には王手、そして、ニコースキー氏が共通点を指摘した偉大な先輩右腕の背中も見えてきている。

 ニコースキー氏は、平野が今季奪った32三振の内訳が、スプリット16、フォーシーム16と半々であることを紹介。その上で「特に空振りの奪い方を知っている投手は、レパートリーの中でも突出した武器と呼べるものがあります。ゴドリーが多くの三振をカーブで奪ってきていますが、その球に打者は悩まされています。しかし、ヒラノに至っては、直球とスプリットの両方がまさにそれにあたります」と、2球種がどちらも一級品であると評価した。

 上原に追いつき、追い越すことができるか。平野の登板から目が離せない。

(Full-Count編集部)

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