27日、グループステージの最終節でセルビア代表と対戦するブラジル代表。
ここまで「優勝候補筆頭」との前評判に反し、非常に厳しい戦いを強いられているが、セルビア戦は引き分け以上でグループ突破が決まる。先を見据えてメンバーを変更してくるのかも注目点だろう。
そこで今回は、ここまでまだ登場していない“大物”たちをご紹介しよう。
フィリペ・ルイス
マルセロという絶対的存在が君臨するセレソンの左サイド。
チッチ監督が控えに選んだのは、ユヴェントスで活躍中のアレックス・サンドロではなくフィリペ・ルイスだった。32歳のベテランは実績・経験ともに十分。かつてはアタッカー並みの攻撃力が売りだったが、シメオネのもとで守備も洗練され、ソリッドな選手へと成長した。
前回大会は怪我で無念の欠場となっており、期するものがあるはず。ちなみに、日本アニメ好き。
マルキーニョス
南米予選で圧倒的な強さを見せたチッチ監督率いるセレソン。
センターバックで中心的な役割を果たしたのはベテランのミランダだが、彼の17試合に次ぐ12試合で先発したのがマルキーニョスだ。
2013年、DFとしては破格の移籍金でローマからPSGへと引き抜かれ、世界的なセンターバックに成長しつつある24歳。183cmながら空中戦や対人守備に絶対の自信を持ち、味方を鼓舞するメンタルも兼備している。
ここまではミランダ、チアゴ・シウヴァの控えに回っているが、彼の力が必要になる試合がきっと来るはずだ。
エデルソン・モライス
世界で最も贅沢な控えGKかもしれない。
今季マンチェスター・シティにGK史上最高額で移籍すると、リーグ最高レベルのプレーを見せつけた。
勇猛果敢なセービングも素晴らしかったが、世界を驚かせたのは巨砲ともいうべき左足だ。ペップも惚れ込んだゴールキックは異次元の飛距離を誇るほか、鋭く正確なパスを前線に通せるなどディストリビューションは一級品。
そんな存在をベンチに置いておけるなんて…。
フレッジ
5900万ユーロ(およそ77億円)という破格の移籍金でマンチェスター・ユナイテッドへの加入が発表されたフレッジ。
前回大会でセレソンのエースストライカーを務めたフレッジとは、もちろん同名の別人である。
元々は技術とパス能力に優れた攻撃的MFだったが、欧州の地でフィジカル能力と運動量に磨きをかけ、非常にタフなセンターハーフへと変貌を遂げた。
ブラジルはカゼミロ、フェルナンジーニョ、パウリーニョ、レナト・アウグストを併用しておりここまでフレッジに出番はない。しかしチームの中盤はやや創造性を欠くだけに、出番が回ってくれば違いを発揮したい。
タイソン
名前はヘビー級だが小柄で機動性に優れたアタッカー。
国際的には今回のセレソンで最も知名度の低い選手の一人だが、国内では2009年、あるブラジル人記者が「タイソンはメッシより偉大な選手になる」と書いたことで今でもネタにされている。
現在30歳。長くウクライナでプレーしていることもあり、今なお若手のような立ち位置で今大会もまだ出番はない。
ブラジル人はチッチ監督がシャフタールの選手を好んでいることに不満を持っているが、得てしてそんな選手が“ラッキーボーイ”になったりするものだ。