潜伏キリシタン関連遺産 12資産で証明

 潜伏キリシタン遺産は、2世紀以上にわたる信仰継続の歴史を4段階に分け、時期に応じた12件の構成資産を証拠としている。

 (1)始まり=キリスト教の伝来から浸透、江戸幕府による禁教政策強化の段階。幕府軍と多数のキリシタンが交戦した古戦場「原城跡」(南島原市)を物証とする。

 (2)形成=潜伏キリシタンが信仰を隠して独特の伝統をはぐくんだ段階。「外海の出津集落」(長崎市)など5資産は、潜伏キリシタンがどのような形で信仰を続けたのかを示す。

 (3)維持・拡大=長崎・外海地区のキリシタンが五島列島などの離島に移住して新たな集落を展開し、移住先の在来宗教や社会と共生しながら信仰を続けた段階。「久賀島の集落」(五島市)など4資産で証明する。

 (4)変容・終わり=幕末の開国で宣教師と出会い、カトリックに復帰した潜伏キリシタンが信仰を隠すことをやめた段階。出会いの場となった「大浦天主堂」(長崎市)など2資産で表す。

潜伏キリシタンの信仰の伝統

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