ネットの危険性学ぶ SNSで犯罪被害の実例 「困ったら家族や先生に相談を」 長崎精道小中で安全教室

 夏休みを前に、情報やメディアの危険性を知って安全にスマートフォンなどを利用してもらおうと、長崎精道小中学校(牧山涼子校長、167人)で28日、小学5年~中学3年の計100人を対象にインターネット安全教室があった。県メディア安全指導員の稲田純子さん(61)が講師を務めた。
 稲田さんはスマートフォンでペットの写真を撮り、その写真を会員制交流サイト(SNS)に載せることの危険性を指摘。機器の性能や解析技術の発達で、ペットの瞳に場所や人物などが映り込んでいることが分かってしまうという。撮影場所などの特定につながり、最悪の場合、ストーカー被害にも遭いかねない事例を紹介した。
 さらに数年前、県内で女子中学生がSNSで出会った男に自身の裸の画像を送ってしまい、その画像がネット上にばらまかれた実例も示した。稲田さんは「悪い大人は優しい言葉をかけて、あの手この手でだまそうとする。犯罪に巻き込まれないために、少しでも困ったことがあれば、すぐに家族や先生に相談することが大事」と呼び掛けた。
 携帯電話やスマートフォンは子どもたちにも普及し各1台所有する人もいる。中学3年の谷山千文さん(14)は「高校生になると、携帯電話を利用する機会が増えると思う。メールよりも電話、電話よりも直接会って友達と意思疎通を図りたい」と話した。
 県によると、県内の18歳未満で、出会い系サイトやSNSを通じて児童買春や児童ポルノなどの犯罪に巻き込まれた被害人数は2017年17人、16年11人、15年20人。

ネットの危険性について語る稲田さん(右)の話を真剣に聞く子どもたち=長崎市、長崎精道小中

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