阪神・能見篤史、史上2位の高齢で100勝到達 虎の左腕では3人目

阪神・能見篤史【写真:荒川祐史】

リリーフで今季2勝目 先発から救援に回り新境地

 阪神の能見篤史投手は6月28日の横浜戦の8回裏に登板、1安打を許したものの3奪三振で抑えた。9回表に決勝点が入り、今季2勝目。これがNPB135人目の通算100勝となった。

 能見は鳥取城北高、大阪ガスから2004年自由獲得枠で阪神に入団。ダルビッシュ有や涌井秀章、金子千尋とドラフト同期だが、社会人で6年プレーしていたため入団時すでに25歳だった。

 即戦力左腕と期待されたが、4年目までは先発、救援両方で起用されるも4勝どまり。5年目の2009年に28登板、25先発で13勝9敗を上げ、以後、先発の柱として活躍してきた。2012年には172奪三振で、最多奪三振のタイトルを獲得している。

 今季も先発でスタートしたが、不振で5月11日の登板後に2軍落ち。6月5日に1軍復帰してからは中継ぎ投手に配置転換される。今季は先発では3試合0勝2敗、防御率7.53だったが、救援では9試合2勝2ホールド、防御率1.00と素晴らしい出来。14年目のベテランは新しい境地を開こうとしている。

 能見は松坂世代より1歳年上の1979年5月28日生まれ。39歳1か月0日での100勝は、2007年7月6日、同じく阪神で39歳1か月19日で100勝を達成した下柳剛に次ぐ史上2位の高齢記録だった。

100勝投手は現役10人目、阪神では11人目

 100勝投手は135人目、現役では10人目。決して珍しい記録ではないが、投手の分業制が進み、20勝投手が事実上絶滅する中で、現代の投手の大きな目標になっている。

 阪神では100勝投手は11人目。()は阪神での実働期間、RLは右腕左腕。

1若林忠志233勝(1936-44 46-49)R
2村山実222勝(1959-72)R
3小山正明176勝(1953-63)R
4江夏豊159勝(1967-75)L
5渡辺省三134勝(1952-65)R
6藤村隆男133勝(1940-42 49-56)R
7梶岡忠義131勝(1947-55)R
8御園生崇男127勝(1936-39 41-44 46-51)R
9山本和行116勝(1972-88)L
10バッキー100勝(1962-68)R
10能見篤史100勝(2005-)L

 阪神生え抜きのフランチャイズプレイヤーでは、1985年6月5日の山本和行以来33年ぶりの100勝到達。阪神の左投手としては江夏豊、山本和行に次ぐ3人目だ。

 NPBには能見に続いて今季中に100勝を達成しそうな投手が4人いる。

中田賢一(ソ)99勝(2005-2018) 今季4勝
大竹寛(巨)97勝(2003-2018) 今季1勝
成瀬善久(ヤ)96勝(2006-2017) 今季0勝
メッセンジャー(神)93勝(2010-2018) 今季9勝

 いずれもベテランの域に達した投手だが、勢いでは能見の同僚のメッセンジャーが一番あるようだ。能見に続いてメッセンジャーが外国人選手では3人目の100勝に到達するようなら、阪神のポストシーズン進出も見えてくるだろう。

(Full-Count編集部)

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