オリジナル万年筆が好評 手書きの良さ見直され 石丸文行堂

 長崎市浜町の老舗文具店、石丸文行堂は29日、創業135周年を記念したオリジナルの万年筆とインクのシリーズ「長崎美景(びけい)」の販売を始めた。デジタル化が急速に進む中、手書きの良さが見直され、万年筆やガラスペンの市場は拡大している。第1弾として100本限定生産した万年筆は事前予約分55本が4時間で完売した。
 長崎美景は「いつまでも守りたい長崎の風景」がテーマ。第1弾は青空に映える大浦天主堂をイメージした万年筆「教会スカイミント」(税別1万6千円)、夕焼けに照らされる軍艦島をイメージした「軍艦島サンセットグレー」など5色のインク(各税別2千円)を作った。
 石丸忠直専務によると、昔は万年筆は古くさいというイメージがあったが、最近は若い女性を中心に、インクやレターセットを選ぶ楽しみから万年筆ファンが増えているという。長崎美景も13日にホームページで事前予約を受け付けると、愛好家らの間で会員制交流サイト(SNS)を通じて情報が拡散。県外や海外からも注文が寄せられた。石丸専務は異例の売れ行きに「予想以上の反響で手応えがある。第2弾も考え、長崎を盛り上げていきたい」と話す。
 29日に浜町の本店で始まったイベント「ペンフェス2018」で長崎美景の販売を開始。ペンフェスは7月1日まで、開場時間は午前10時~午後8時。万年筆はフェス期間に売り切れとなりそうな見通し。問い合わせは同店(電095・828・0140)。

石丸文行堂が発売を開始した「長崎美景」シリーズの万年筆とインク

© 株式会社長崎新聞社