【新幹線3人死傷】「刑務所に入りたかった」男を再逮捕

新横浜-小田原間を走行中の東海道新幹線で乗客の男女3人が殺傷された事件で、県警捜査1課と小田原署は29日、女性客2人に対する殺人未遂の疑いで、住所不定、無職小島一朗容疑者(22)を再逮捕した。

 再逮捕容疑は、9日午後9時45分ごろ、東京発新大阪行きのぞみ265号(16両編成)の12号車で、なたで女性看護師(26)=愛知県=の頭部や、女性会社員(27)=同=の左肩に切り付け、殺害しようとした、としている。同課によると、容疑を認めている。看護師は全治約1カ月、会社員は同約10日のけがを負った。

 これまでの調べで、同容疑者は「新横浜駅を過ぎたらやろうと思っていた。誰でもいいから、隣に座った人からやろうと思った」などと供述。女性2人は新横浜駅で乗車し、東京駅から乗っていた同容疑者の両隣の座席に着席した。県警は凶器を事前に準備し、無差別に乗客を襲ったとみて、調べている。捜査関係者によると、同容疑者は「何も考えないで済むので刑務所に入りたかった。無期懲役を狙った」との趣旨の話もしているという。

 県警は、女性2人をかばおうと制止に入った男性会社員(38)=兵庫県尼崎市=を殺害したとして、同容疑者を殺人容疑で送検していた。

事件発生後、小田原駅に停車中の新幹線=9日午後11時30分ごろ、小田原市

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