キャンナス長崎佐々あす発足 家族に代わり介護や看護 訪問ボランティア看護師の会 代表の竹田さん「頼りにして」 長崎県内3カ所目 

 全国訪問ボランティアナースの会「キャンナス長崎佐々」(長崎県北松浦郡佐々町)が7月1日に発足する。代表の竹田志穂美さん(42)は「支えたいという思いを持つ人による、制度や所属、職種の枠を超えた新しいサポートの形。地域資源の一つとして、頼りにしてほしい」と話している。
 キャンナスは、育児や定年退職で職場を離れた看護師やケアマネジャーなどでつくる有償ボランティアの全国組織。名称は「CAN(できる)ことをできる範囲でするNURSE(看護師)」を表す。全国に119の拠点がある。長崎県内では3カ所目。
 看護師で、訪問看護や終末期ケアに関心を持っていた竹田さんは、住み慣れた場所で最後まで生き生きと暮らしたいというニーズに対し、家族の介護力や地域力が追いついていないと感じていた。生まれ育った町のために、既存の制度にとらわれず経験や人脈を生かしたいと、会を立ち上げた。
 家族が介護の息抜きのため出掛ける際に食事など身の回りの世話を代行。インスリン注射や、たんの吸引といった医療行為も、家族が担当する範囲であれば対応ができる。このほか▽通院の付き添いや入退院の手伝い▽医療的なケアを必要とする子どもを含む子育て支援▽自宅でのみとりの手伝い-などあらゆるケースに対応する。
 佐々ならではのメニューとして、資格を持った竹田さんがエッセンシャルオイルを使ってマッサージをする「アロマケア」も用意。料金は1時間千円程度。利用希望者は、事前にチケットを購入する。
 幼なじみで行政書士の伊澤美津紀さん(42)が、監事として竹田さんの活動を支える。「支える人も、支えられる人も、お互いさま」と話す2人。能力を生かしたい人、ほっとひと息つきたい人-。双方の住民の声を待っている。
※   ※
 発会式は、7月1日午後1時半から佐々町文化会館。キャンナスを始めた菅原由美さんらが講演。お茶会やエッセンシャルオイルハンドマッサージの体験もある。問い合わせは竹田さん(電080・3948・3377)。

「頼りにしてほしい」と呼び掛ける竹田さん(右)と伊澤さん=佐世保市内

© 株式会社長崎新聞社