専門知識で社会貢献 「プロボノ」普及へ説明会

 川崎市は、仕事で培った経験やスキルを社会貢献に生かす「プロボノ」を広める取り組みを進めている。本業の延長と捉えてもらうことでボランティア活動への参加のハードルを下げ、市民団体が抱える悩みも解決できる。本年度は9~11月と、12月~来年2月の2回、体験会を開く予定で、その説明会とセミナーが30日、同市高津区内で開かれた。

 プロボノは「公共善のために」を意味するラテン語に由来。現役の社会人や勤務経験のある主婦やお年寄りらが専門知識や技術を生かし、「プロボノワーカー」として市民団体やNPO、町内会、商店会などをサポートする。

 市はこの一石二鳥の取り組みを広めるため、2015年から体験企画を開催。「ホームページをつくってほしい」「法人化の手伝いをしてほしい」など悩みを抱える市民団体とマッチングし、市民50人弱が無報酬で10団体程度の悩みを解決してきたという。

 セミナーでは、プロボノワーカーを集めてNPOの基盤強化を支援している認定NPO法人「サービスグラント」の嵯峨生馬代表が登壇。「活動は有限で1日~6カ月」「本業に影響しないよう週3~5時間」「本業では得られない、さまざまな仲間ができるのもやりがいの一つ」とプロボノの概要や実例、魅力などを紹介した。

 参加したパソコン関連会社社長(39)は「本業の技術を生かして何か社会貢献したい。NPOの立ち上げなどに協力できれば」と意欲を示していた。

 市は今後、市民向け説明会を7月4日に、団体向けを同9日に開く。問い合わせは市協働・連携推進課電話044(200)2167。

プロボノについての説明に耳を傾ける参加者=川崎市高津区

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