V長崎 オーストリア合宿終了 「100点以上の成果」高木監督 後半戦へ準備整う

 6月18日にスタートしたV・ファーレン長崎のオーストリア強化合宿は30日、全日程を終了した。現地入りしていた広報によると、シリア代表など強豪とのトレーニングマッチ計5試合の成績は1勝1分け3敗。高木監督は「ヨーロッパのチームと対戦することで、自分たちの力を自覚できる。練習、生活、ゲームに関しても充実していた。100点以上の成果は出せた」と総括した。
 標高約千メートルの山あい、牧歌的な風景が広がる自然豊かな土地を拠点にした。酸素濃度が薄く、持久力強化にうってつけの環境で汗を流した。オフは欧風の建築物が立ち並ぶおしゃれな街を散策。アイスクリームやチョコレートなどのスイーツも満喫した。監督、コーチ、選手が特別な時間を共有して絆を強めた。
 練習試合はブルガリア1部リーグのCSKAソフィアに0-3で敗れて始まった。続くルーマニア1部のFCウニヴェルシタテア・クラヨーヴァ戦は1-0で勝利。前半27分、右サイドから飯尾のパスを受けた中村慶が、コースを見極めてゴールした。中村慶は「自分たちが今、チャレンジしていることを試合でできた」とコメントした。
 ロシア1部のFCアーセナル・トゥーラ戦は1-1で引き分け。前半38分、CKのこぼれ球を前田が押し込んで先制したが、前半終了間際にPKで追いつかれた。シリア代表戦は2-3で惜敗。0-3の後半36分に鈴木、38分にファンマの得点で詰め寄ったが、あと一歩及ばなかった。徳永は「自分たちの課題が見つかった。みんないろいろ感じることがあった。生かしていければいい」とコメントした。最後のオーストリア1部のFCヴォッカー・インスブルック戦は0-1で敗れた。
 いよいよ7月18日、J1リーグが再開する。V長崎は現在15位だが、6位までの勝ち点差はわずか「5」。7日は県庁で決起集会も予定されており、サポーターらとともに後半戦に向けて士気を高める。
 その1週間前の11日は天皇杯3回戦(19時・BMWスタジアム平塚)で湘南と対戦。しっかり勝って、後半の開幕戦となる18日の神戸戦(19時・トランスコスモススタジアム長崎)へ弾みをつけたい。

シリア代表との練習試合で攻め上がるV・ファーレン長崎の鈴木(手前)=オーストリア・グレーディヒ(V・ファーレン長崎提供)
標高約千メートルの高地を拠点に練習した選手たち=オーストリア・ノイシュティフト(V・ファーレン長崎提供)

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