ながさき平和大集会 平野さんに秋月平和賞 「微力だけど無力じゃない」 

 第30回ながさき平和大集会が1日、長崎市平野町の長崎原爆資料館であった。平和運動に功績があった個人・団体に贈られる秋月平和賞を受賞した高校生平和大使派遣委員会共同代表で被爆2世の平野伸人さん(71)=長崎市愛宕3丁目=は、「微力だけど無力じゃないと信じていま少し頑張る」と決意を述べた。
 集会は、核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委(朝長万左男委員長)が主催。被爆医師の故秋月辰一郎さんらの呼び掛けで1989年に始まった。被爆2世の個人の受賞は2008年の創設以来初めて。
 平野さんは、核廃絶を世界に訴える高校生平和大使の発案者。1998年から平和大使を国連に派遣、核廃絶署名を届ける活動を支えている。次世代への平和運動の継承や核廃絶の世論喚起に寄与したと評価された。
 授賞式で「身の丈にあった運動をすべきだという指摘もあった」と活動当初を振り返り「受賞を糧に若者を育て、長崎の声を世界に発信するという大きな役割を果たす」と語った。
 平和活動に取り組む市民ら約170人が参加した集会では、朝長委員長が核兵器禁止条約について講演。国連での採択から7日で1年となるのを前に、核保有国が主張する核抑止論を踏まえて「条約を取り巻く環境は厳しい」と指摘。市民の力を推進し、保有国やその同盟国に圧力を加える必要性を訴えた。
 今夏にスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪問する高校生平和大使2人も決意表明した。

表彰状を受ける平野さん=長崎原爆資料館

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