あれは翼君岬君!W杯を彩った”名コンビ”たち

毎日、熱い戦いが繰り広げられているロシアW杯。これまでの歴史の中でW杯を戦う代表チームの中には優れた選手たちが織り成す連携プレーがあった。

今回はW杯を彩った様々なゴールデン・コンビを見ていこう。

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ササコンビ(チリ)

1998年W杯でベスト16に進んだチリをけん引したのが“ササコンビ”だ。9番でキャプテンのイバン・サモラーノと11番のマルセロ・サラスが織り成す2トップは全試合で得点を奪った。ZamoranoとSalas、二人の頭文字をとって「ササコンビ(ZaSaコンビ)」と呼ばれた。

実はチリはこの大会で1勝もあげていないのだが、イタリア相手に引き分けるなど3分けでグループ2位通過。ベスト16でブラジル相手に敗れたものの大きなインパクトを残した。特にサラスは4得点をあげており評価を高めラツィオへ移籍、1998-99シーズンにカップ・ウィナーズ・カップ、1999-00シーズンにセリエAでスクデット獲得とチームの黄金時代を支えた。

一方、サモラーノはW杯では1得点もあげることはなかったが、1994-95シーズンのリーガ・エスパニョーラ得点王。大会当時在籍していたインテルで背番号「18」の間に小さい+を入れて「1+8」つまり背番号9、というこだわりを示したエピソードでも話題になった。

マラドーナ&カニーヒャ(アルゼンチン)

近年のアルゼンチン代表はリオネル・メッシと相性の良い選手を探すことが一つの課題となっていたが、かつてアルゼンチンを代表したディエゴ・マラドーナには相棒がいた。クラウディオ・カニーヒャ(カニーヒア、カニージャとも)である。

「風の申し子」と呼ばれ、サッカー選手になるまでは陸上の大会にも出場していたというカニーヒャは類まれなスピードで縦へのドリブル突破を繰り返したウィンガーである。特に1990年のW杯ではマラドーナとコンビを組み、連覇を目指した。特に決勝トーナメントブラジル代表相手に決勝点をあげ話題となった。だが、決勝では出場停止でカニーヒャは出場できず。マラドーナはギド・ブッフバルトのマークに苦しみ、準優勝に終わっている。

カニーヒャは一時は出場停止などで落ちぶれるも、2002年W杯には経験を買われて驚きのメンバー入り。怪我もあり出場することはなかったが、ベンチでモチベーションを上げるために奮闘、スウェーデン代表戦では出場していないのに退場処分を受けている。

今大会では快速FWとしてクリスティアン・パボンが起用されたが、かつてのマラドーナ&カニーヒャを思い浮かべたファンも少なくないだろう。

ダーリン&ブローリン(スウェーデン)

北欧は隠れた名コンビの宝庫である。近年のファンであればズラタン・イブラヒモヴィッチとヘンリク・ラーションのコンビを思い浮かべるかもしれないが、ことW杯で言えば1994年大会でスウェーデンを3位に導いたこの男たちを忘れてはならない。トマス・ブローリンとマルティン・ダーリンである。

EURO92では準決勝に進出したスウェーデン代表チームは若い才能の宝庫であった。そして、迎えた1994年W杯ではブラジルと同組ながらそのブラジルと引き分け1勝2分で決勝トーナメントに進出すると、サウジアラビア、ルーマニアを下しベスト4へ進出した。準決勝では再び当たったブラジルに敗れ決勝進出こそならなかったが3位決定戦ではブルガリアを4-0で破り、堂々と3位を確保した。

この大会ではさらにダーリン出場停止時の代役としてブラジル代表戦で先発したケネト・アンデションが最終的に5ゴールをあげた。さらに若き日のヘンリク・ラーションも擁するなど脅威の陣容であった。

ケネト・アンデションと言えば、ロベルト・バッジョやジュゼッペ・シニョーリとのコンビでも知られる名コンビ伝説には欠かせない男である。

バルデラマ&アスプリージャ(コロンビア)

ロシアW杯で日本と戦ったコロンビアだが、かつてのコロンビアと言えばバルデラマとアスプリージャを思い浮かべるオールドファンも多いだろう。

海のそばで育ったためにチリチリになったという逸話を持ちアフロヘアから「ライオン丸」と呼ばれたバルデラマは1990、1994、1998と3大会連続でワールドカップに出場した。決して運動量は多くなく、がに股で芸術的なパスを繰り出すという個性的なスタイルで注目を集めた。

チームメイトもGKなのに足技ありのレネ・イギータ、中盤を絞めるフレディ・リンコンら個性派揃いだったが、中でも1994、1998W杯に出場したファウスティーノ・アスプリージャを思い浮かべるファンが多いだろう。

身体能力が高くフィジカルを全面的に押し出したダイナミックな動きが特徴的なストライカーで、一方で問題児としてトラブルを多く起こしたため安定した活躍はできなかった。そのためにW杯でも結果より記憶に残ったメンバーであった。1994年W杯ではオウンゴールを記録したエスコバルが射殺されたのは繰り返してはならない悲劇として語り継がれている。

ちなみに先月下旬でロシアW杯のVIP席でセリエAパルマ時代に戦ったこともある三浦知良(元・ジェノア)と再会しまだ現役であることに驚いたという。

オランダトリオ(ライカールト、フリット、ファン・バステン)

シルヴィオ・ベルルスコーニ時代に黄金時代を過ごしたミランを代表する3人がオランダトリオである。

アヤックスのフランク・ライカールト、マルコ・ファン・バステン、PSVのルート・フリット(グーリットとも)を獲得しセリエA優勝、チャンピオンズカップ優勝を経験している。

EURO88ではリヌス・ミケルス監督の下で優勝を成し遂げたが、当時EURO優勝チームがW杯優勝はできないというジンクスがあったが、1990年のイタリアW杯ではベスト16で西ドイツを相手に1-2で敗戦し姿を消している。

戦術的に現代の礎を築き上げミランで絶対的な強さを誇っていたメンバー擁するオランダでさえ当時W杯優勝は叶わなかったのである。

ちなみに当時のオランダを破った西ドイツはユルゲン・クリンスマンらを擁しこちらはマテウス、ブレーメと共にドイツ・トリオと呼ばれていた。なお、ロシアW杯予選でオランダ代表の新監督候補として名前があがったのがそのクリンスマンであり、サッカーの因果を感じさせる瞬間である。

チャビ&アンドレス・イニエスタ(スペイン)

バルセロナで長くコンビを組み数々のタイトルを獲得してきたのがチャビとイニエスタだ。若き日のイニエスタはウィングなどでもプレーしたが、見る者を魅了するパスワークや技術の数々をまるでサッカーの教科書のように展開した。

バルセロナではリオネル・メッシやロナウジーニョらと共にTiki-takaと呼ばれるショートパスを多用したポゼッションサッカーでは隆盛を極めた。しかし、一方で、スペイン代表といえば無敵艦隊と恐れられた一方で1998年W杯でサンデー・オリセーのミドルシュートでナイジェリアに屈するなどグループリーグ敗退を喫するなど決して前評判通りの活躍をできていなかった。

そんな中、EURO2008を制するとその勢いのまま2010年W杯も制し、さらにはEURO2012で連覇を達成した。数々のジンクスを破りスペインの黄金時代を築き上げたのだ。この2008年から2013年までのチームはFIFAによる最優秀代表チームを獲得し続けた。

今大会ではレアル・マドリーでもチームメイトのイスコとアセンシオの連携面を懐疑的にみる目もあったが、将来的にこの2人を超えるような結果を残してもらいたいところだ。

ロシアW杯をもって代表引退を発表したイニエスタは、ヴィッセル神戸への加入が決まっている。日本では新しい名パートナーを見つけることはできるだろうか。

3R(ロナウド、リヴァウド、ロナウジーニョ)(ブラジル)

ブラジル代表といえば1998年W杯の前にはロマーリオ&ロナウドの(Ro-Roコンビ)が話題となったが、本大会を前にロマーリオが負傷し幻となってしまった。そこで、W杯で活躍したブラジル代表コンビといえばアメリカ大会でのロマーリオ&ベベットが有名だが、ここでは2002年W杯で活躍した“3R”を取り上げたい。

2002年W杯では最終予選でブラジルが苦戦していた。それを救ったのは後にJリーグでプレーするフランサやマルセリ―ニョ・パライーバであったが、本大会で躍動したのはロナウド、リヴァウド、そして若き日のロナウジーニョの3トップであった。

3名の頭文字をとり“3R”と名付けられたコンビの破壊力はすさまじく、3人で全18ゴール中15ゴールをあげた。バルセロナで調子が良い時はリアルキャプテン翼のような動きを見せていたリヴァウド、パリ・サンジェルマンで売り出し中だったロナウジーニョ、さらにトップのロナウドは8得点をあげて得点王に輝いた。また大会では大五郎カットと呼ばれた独特の髪型も話題をさらった。

自由奔放な3人が個人技で魅せる中で、残りのメンバーはブラジルらしからぬ3バックに堅守速攻というスタイルで黒子に徹した。また、ロベルト・カルロスを加えて4Rと主張する人もいる。

若き日のロナウジーニョはイングランド代表戦でデイヴィッド・シーマンを相手に40mのFK弾を決めた。39歳だったシーマンは試合後に泣き崩れ、デイヴィッド・ベッカムが慰めたという逸話がある。その後、バルセロナに加入し2005年にはバロンドールとFIFA最優秀選手に輝いたことは誰しもが知っているだろう。

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