W杯、グループステージで「学ばせられた」10の物事

『FourFourTwo』は6月29日、「ロシアW杯のグループステージで最も輝いた10名の選手」という記事を掲載した。

先月14日に開幕したワールドカップは、すでに決勝トーナメントがスタート。半分以上のチームが大会を去った。

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15日間に渡っておこなわれたグループステージで学んだ10の物事とは?

前回王者は結局苦戦する

まるで呪いのように見える。2002年にはフランスが、2010年にはイタリアが、それほど難しくも見えないグループで涙を呑んだ。

スペインも2014年にそうなってしまったし、最新の犠牲者はドイツになった。彼らが韓国、スウェーデン、メキシコのグループで最下位になると予想した者はいないだろう。

この傾向は、チームの力や忠誠心が極めて脆弱なものであるということを示している。4年間という時は短いようで長い。

ヨアヒム・レーフは長くやりすぎた

自身が退任するタイミングを知ることは、非常に難しく、正確には不可能である。特にこの時代には。

ヴェンゲルはそうであるし、アーセナルはもっと早く解任するべきだった。一方、ジダンは早すぎたかもしれない。

レーフは偉大な革命を成し遂げた監督であるが、そのアイデアは機能しなくなった。これは彼の能力の問題ではない。最高の監督にでも起こるべきものである。

議論はあるが、VARは有用だ

グループステージだけで24のペナルティキックが授与された。これは歴史上最高記録である。

VARは殆どの場合正しい判断を下す助けになり、過度に使われている傾向もない。誤って与えられたPKを取り消すこともあった。

したがって中程度の成功を収めているとは言えるが、ただVARで判定されなかったということが議論を呼ぶことにもなっているので、その対策は必要になるだろう。

南米人は世界最高のサポーターだ

会場はロシアだ。南米からはあまりにも遠いが、そのファンはヨーロッパのサポーターよりも遥かに重大な存在になっていた。

アルゼンチン、コロンビア、ペルー、ブラジルのサポーターは、ロシアの各都市でカーニバルのような雰囲気を作り出した。

メキシコはルジニキ・スタジアムをエスタディオ・アステカのように変え、ドイツに勝利した。

チッチはブラジル代表に最適な監督だ

ブラジルの結果がどうなるかにかかわらず、チッチは本当にセレソンをうまくまとめている。それはかなり稀なことだ。

選手やジャーナリスト、そしてファン。ネイマールへの強烈なプレッシャーを取り除き、システムに組み込んでいく。

ブラジルの記者が言うように、セレソンが優勝できなかったとしてもチッチはチームに残るだろう。これも前例のないことだ。

ホスト国ロシアは、十分に成功した

ロシアのファンの75%は、グループステージで失敗すると信じていた。あの簡単に見えるグループで。サウジアラビアとの試合も非常に厳しいと考えられていた。

しかし、サウジアラビアとエジプトは不幸なことに「予想とは違うロシア」と対戦することになった。

ウルグアイには大敗してしまったが、ベスト16に進んだ。そこからどこまで進んでいくかは関係なく、大会は肯定的な形で終わるだろう。

ロベルト・レヴァンドフスキにリーダーの資質はない

バイエルンのスーパースターは予選で得点王となった。16ゴールを決めて、ポーランドを本大会へと導いた。しかし本番では…。

確かにチームからの助けはなかったが、彼のようなレベルの選手は仲間を動かし、率いることができるはずなのだ。

EURO2016で1得点に終わった彼は、今回さらに悪化した。キャプテンを務められる能力はなく、アームバンドは誰か他のリーダーに任せる必要がある。

ズラタンがいないほうがスウェーデンは強い

「俺がいなければ価値がない」とズラタン・イブラヒモヴィッチは言ったが、彼がいないことでチームは統一され、集中され、解放されたようにも見える。

彼らの伝統は謙虚で統率された試合だ。予選でオランダを追い落とし、プレーオフでイタリアを破り、グループステージでドイツを上回った。

フォシュベリは最高の調子にはなかったが、彼はそれでも謙虚にチームプレーを続けた。

それは自我が強いズラタンにはない個性であり、スウェーデンにはフォシュベリの方が合っているのかもしれない。

フェアプレーポイントでの順位決定はいいアイデアだ

セネガル代表はイエローカードの数で日本に敗れたことが不運に感じられるかもしれないが、これは実際いい考えである。

問題があるとすれば、チームがそれに慣れていないことだ。セネガルは最後までそれに注意を払えなかった。

統計的にはこのルールが使われる可能性は低い。勝点や得失点が全て同じになったのは、1990年のアイルランドとオランダまで遡る。

一般的になれば、チームはより少ないカードで戦おうとするはずだ。今回は誰もそうしていないだけで。

48チームに増やすのは悲しいアイデアだ

パナマ、サウジアラビア、チュニジアは観客にいいところを見せられなかったし、これまでのワールドカップでもそのようなチームはあった。

しかし2026年以降、そのチーム数は飛躍的に増加する。数学的には非のない32チームのシステムが台無しになる。

メキシコと日本だけだ。南米とヨーロッパ以外でベスト16に進んだのは。アフリカとアジアからより多くの競争相手が必要か?大会の質を低下させてしまうだろう。

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