被爆者と家族の歴史に触れて 写真展「生きて、繋いで」 16日まで ナガサキピースミュージアム

 被爆者や被爆3世の家族を撮影した写真展「生きて、繋(つな)いで」が、長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアムで開かれている。原爆関連写真の検証に努める長崎平和推進協会写真資料調査部会名誉部会長の深堀好敏さん(89)や、広島と長崎で原爆に遭った二重被爆者の故山口彊(つとむ)さんらを題材にした作品約30点が並ぶ。入場無料、16日まで。
 被爆地の長崎、広島両市で平和活動に取り組んでいる写真家ら約10人でつくる企画「被爆三世これからの私たちはproject」主催。被爆3世を切り口に、被爆者とその家族の歴史や日常に触れることで平和について考えてもらう狙いがある。昨年に続き2回目。
 長崎市の写真家、草野優介さん(30)は大学時代から長年撮影してきた深堀さんの写真を出展。昨年8月9日の平和祈念式典で被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げる姿や、同部会で写真の検証作業に打ち込む様子を捉えた。
 広島市の写真家、堂畝紘子さん(36)は被爆3世を題材にした家族写真を撮り続けている。出展作品には同企画のメンバーでもある山口さんの孫の原田小鈴さん(43)と、ひ孫の原田晋之介君(11)を収めた家族写真も含まれている。
 草野さんは「被爆3世は生まれた時から継承を背負っている。被爆者の方がつないできた歴史を考えるきっかけにしてほしい」と話している。15日は出展者によるギャラリートークがあり、それぞれに作品への思いを語る。

二重被爆者の故山口彊さんの写真を背にした家族写真。左奥が原田小鈴さん、隣が原田晋之介君(堂畝紘子さん撮影) 深堀さんの写真などが並ぶ写真展=長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアム
深堀さんの写真などが並ぶ写真展=長崎市松が枝町のナガサキピースミュージアム

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