全日本トラック協会が周知活動、運送以外の役務は別料金

 鋼材輸送業を含む全国のトラック事業者が加盟する全日本トラック協会が、昨年11月に改正された「標準貨物自動車運送約款」を荷主などの関係者に周知するための活動に力を入れている。

 今回の改正では、運送以外の役務が生じた場合、その対価となる「料金」を運賃とは区別して契約書に記載することなどが新たに規定された。実際の運送取引で定着するようチラシの配布や説明会を通じて呼び掛ける。

 同約款は、国土交通省が制定する荷主とトラック事業者との運行契約のひな形。今回の改正によって、同約款には(1)運送の対価となる「運賃」と運送以外の役務などの対価となる「料金」の区分の明確化(2)荷主の都合による待ち時間の対価として「待機時間料」を新たに規定すること(3)附帯業務の内容の明確化―の3点が新たに盛り込まれた。

 改正を巡っては、トラックドライバーの長時間の荷待ちや契約にない付帯作業による長時間労働などの労働環境を改善する必要があるとして、2016年から国交省の検討会による見直しの議論が進められていた。

 同協会では、今回の改正によりトラックドライバーの労働環境や賃金水準の改善が進むとみており、関連省庁と連名のチラシの配布などで荷主に理解を求めたい考え。

© 株式会社鉄鋼新聞社