横田早紀江さん、娘との再会「祈るばかり」 川崎で写真展

 北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさん=失踪当時(13)=の母早紀江さん(82)は5日、川崎市多摩区の明治大生田キャンパスで開かれている「めぐみちゃんと家族のメッセージ~写真展」を訪れた。

 早紀江さんは、大学での写真展開催について「街頭での署名活動などで学生の関心が薄いと感じている。日本に住む若者として、拉致問題をしっかりと心に留めてほしい」と語った。

 中学1年だっためぐみさんは1977年、新潟市内で下校中に拉致された。父滋さん(85)が撮影した約40点の写真を見て回った早紀江さんは「写真を見ると、こんな(家族が一緒にいた)時代がほんとにあったのかなって、夢のように感じます。普通の家族の生活がずっと続くと思っていたら、バチンと切られてしまった」と述べた。その上で「もう(娘の)姿が見えない。彼女、かわいそうな人生になってしまったなって。助け出すために、最後まで頑張るしかない」と自らを奮い立たせるように話した。

 米朝首脳会談以降の日本政府や各国の動きについては「家族の思いは一刻も早く連れ戻してほしいということだけ。ただ、祈るばかりです」。入院中の滋さんとは「互いに頑張らないとね」「分かってる」と語り合っているという。

 同キャンパスでの写真展は7日まで。

横田めぐみさんとの一刻も早い再会を待ち望む母早紀江さん=川崎市多摩区の明治大生田キャンパス

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