6~8日、平塚で七夕まつり 一足早く現場見学ツアー

 神奈川の夏を彩る「湘南ひらつか七夕まつり」の開幕を翌日に控えた5日、七夕飾りの制作現場を見学するツアーが平塚市内で行われた。まつり前日の街の雰囲気を味わってほしいと、市観光協会と市民有志が初めて企画。完成間近の豪華な飾りを前に、ツアー参加者は七夕の夜へ期待を膨らませた。

 戦後間もない1951年、大空襲で焼け野原になった平塚の復興を祈念したのが始まりだった-。市民ボランティアの解説に、参加者は、まつりのメインストリートとなる「湘南スターモール」などを巡りながら相づちを打った。

 市観光協会と市民有志によるツアーは、普段の街並みが幻想的なまつりの舞台へと変わっていく様子を楽しんでもらおうとの思いがきっかけ。市内外から14人が参加した。

 ツアーでは、昨年の「七夕まつりコンクール」の2部門で特選となった衣料品店「片野屋」の飾りの制作現場も見学。毎年童話や昔話を題材にしており、ことしは「赤ずきんちゃん」がモチーフだ。同店従業員の片野静民さん(74)が1カ月半をかけ、全て1人で手作りしたという。

 発泡スチロールで赤ずきんちゃんやオオカミの人形を作ったが、「服を着せるのが一番大変だった」と片野さん。飾りは最終的に5日夜、路上で組み立てられるという。その後は毎年売られ、富山県南砺市で催される七夕まつりで再び掲げられるという。

 飾りを手掛けている市民のもとも訪ねた。「湘南七夕の会」の根岸理裕さん(81)は「くす玉と吹き流しでつくる仙台七夕まつりとは違い、平塚の七夕飾りは自由で何でもありなのが魅力」と語り掛けた。

 参加者はまつりの裏側にある苦労を知り、あらためて感激した様子だった。ツアーのガイドを担当した市民観光サポーターの鈴木昇さん(68)は「飾りは数百万円もかかるものもある。まつりや平塚のことをよく知った上で、豪華絢爛(ごうかけんらん)な飾りを楽しんでもらえれば」と話した。

 「湘南ひらつか七夕まつり」は6~8日。JR平塚駅北口の商店街を中心に約155万人の来場が見込まれる。一部イベントは天候により中止になる場合があり、ホームページで随時知らせるという。

「湘南ひらつか七夕まつり」の前日に街を散策する見学ツアー=5日、平塚市の紅谷町まちかど広場

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