佐世保市出身で三川内町のギャラリー「さるのあしあと」を運営する田中満雄さん(67)=愛知県岡崎市=は、三川内焼を中心に肥前地域の磁器にまつわる歴史をまとめた本「肥前磁器誕生の真説 巨関の軌跡」を出版した。
25歳のころ、ギャラリーの共同代表の三浦剛さん(67)と出会い、三川内焼の窯元を巡り始めた。「人を感動させる磁器を作りたい」。そんな職人の気概を感じさせる三川内焼に魅了され、独自に肥前地域の磁器の歴史を研究した。
三川内焼は1598年に朝鮮半島から来日した陶工、巨関が平戸・中野で最初の窯入れをしたのが始まりとされる。著書では、窯元に残る文書や平戸市での実地調査などを基に、巨関の足跡や平戸藩との関係について考察。田中さんは「巨関は肥前地域で困っている窯元があれば訪ねて教えていたのではないか。磁器は異国の地で同胞と幸せを追求する手段だった」と強調する。
さるのあしあと(電0956・30・7722)に申し込み、1冊千円(送料込み)で購入できる。田中さんは「三川内焼のルーツについて地域の人に誇りを持ってもらい、肥前地域の焼き物の歴史を再考するきっかけにしてほしい」と呼び掛けている。
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