横浜市神奈川区大口通の旧大口病院(現・横浜はじめ病院)で入院患者の男性2人が中毒死した事件で、うち1人の殺害に関与した疑いが強まったとして、神奈川署特別捜査本部が、同院の元看護師の女性(31)=同市鶴見区=から任意で事情を聴いていることが7日、捜査関係者への取材で分かった。特捜本部は容疑が固まり次第、殺人容疑で逮捕状を請求する方針。
特捜本部によると、2016年9月20日、同院4階に入院していた同市港北区の男性=当時(88)=が死亡。点滴袋の液体に通常ではみられない泡立ちがあり、異変に気付いた同院から署に通報があった。司法解剖などの結果、遺体と点滴から殺菌作用が強い界面活性剤の成分が検出され、死因は中毒死と判明した。
県警は、何者かが点滴に異物を混入したとみて、同23日に特捜本部を設置。同じ病室で同18日に死亡し、いったんは病死と診断されていた同市青葉区の男性=当時(88)=の遺体からも同様に界面剤の成分を検出。中毒死と判明した。 特捜本部は男性2人への殺人事件として、捜査。医療の知識がある何者かが注射器で点滴に異物を混入したとみて、病院関係者らから事情を聴くなどしていた。