諫早発の「ものづくり」を 「コーヒードリッパー・サーバー」開発 量産化、販売へ クラウドファンディング募集

 長崎県諫早市商工会製造部会の有志とデザイナーらによる「メイドイン諫早をつくるプロジェクト」が、磁器と金属と木を融合させた「コーヒードリッパー・サーバーMIIP(ミープ)」を開発した。量産化による販売を目指し、クラウドファンディング(CF)で資金調達をスタートさせた。
 同プロジェクトは、20~60代の約10人が諫早から世界に通用するものづくりに挑戦。森山町のクラフト作家、長谷川武雄さん(69)の磁器と飯盛町の泉川総業の金属加工技術を軸にした商品づくりを続けている。
 コーヒーを抽出するドリッパーとサーバーは磁器。円すい形のドリッパーの外側にスリットを等間隔に入れ、程よい抽出速度を実現させた。サーバーは緩やかな曲線が印象的。いずれも白と黒の2色がある。
 ドリッパーを支えるステンレスのスタンドは、泉川総業のレーザー加工とプレス技術を生かした。ベースの木は家具に使われるウォールナットにウレタンを塗り、高級感をプラスした。
 これまで材料費は自己負担だったが、今回は量産化に必要な型と一定数の商品の製作費を確保した上で、本格生産、販売に乗り出す。CFで8月30日までに60万円を募集。出資希望者には、通常1万6740円のドリッパー・サーバーを1万800円で販売。長谷川さん作のティーセット(1万800円)もある。
 長谷川さんは「異なる素材や技術の融合による創造はものづくりへの自信とプライドにつながるとともに、地域に貢献できる」と話す。略称の「MIIP=メイドイン諫早をつくるプロジェクト」を付けた商品シリーズ化を目指している。
 CFは「きびだんご」ホームページ(http://kibidango.com)。

量産化へクラウドファンディングで資金を募っている「コーヒードリッパー・サーバーMIIP」
コーヒードリッパー・サーバーMIIPでコーヒーを入れる長谷川さん=諫早市森山町

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