日中友好へ交流促進を 平和条約40周年でつどい

 日中平和友好条約40周年を記念し、草の根から日中友好を築こうと、「7・7盧溝橋事件記念のつどい」が7日、横浜市神奈川区のかながわ県民センターで開かれた。埼玉県日中友好協会会長で大東文化大教授の田中寛さん(68)が、中国・湖南大学での日本語教育体験や日中双方の戦争文学について講演。約40人の参加者は、日中の和解・友好に向け、戦争の記憶、民衆の交流の記憶を継承していく重要性を確認した。日中友好県婦人連絡会の主催。

 田中さんは「文学で刻む日中戦争の記憶~日中和解を求めて」と題した講演で、「戦争体験者がいなくなる中で、戦争文学は戦争の記憶を呼び戻す平和の資源」と指摘。中国の戦争文学の日本語翻訳も今後の重要な課題とした。また、日中の市民が交流し友人を持つことが不戦につながるとし、日中の若者の交流を促進することが重要な責務だと強調した。

 質疑応答などで参加者は「日中関係は一時期よりは改善に向かっている」「日本に来た中国人観光客は日本に好印象を持ってくれている。観光客の増加は日中友好の希望」などと指摘し、関係改善へ努力を続ける決意を新たにしていた。 

日中友好へ戦争や民衆交流の記憶の継承を訴えた田中さん=かながわ県民センター

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