心のケアに役立てて 相模原の民生・児童委員に冊子

 支えが必要な人の心のケアに取り組む人たちに向けた冊子「こころの安全地帯 いつも心によりそう手引」千部が5日、相模原市内の民生委員・児童委員に無料提供された。東日本大震災や熊本地震で被災者の心のケアに取り組んだボランティアの経験を生かして作られた冊子で、ケアの基本的知識や相談者が受けたストレスを軽減させる方策が紹介されている。

 冊子を作製し提供したのは、一般市民を地域のカウンセラーとして養成する活動に取り組む団体「コミュニティ・カウンセラー・ネットワーク」(東京都練馬区)。

 冊子では、支えが必要な人に接する際には「自分自身が落ち着き、相手をよく見て、言葉に耳を傾け、必要に応じて専門家につなぐ」などの基本的なルールや具体的な心のケアの方法が紹介されている。相談を受けた人はストレスをため込みやすいため、ストレス発散やリラックスする方法も説明している。

 冊子の目録がこの日、同ネットワークの田中純代表理事=横浜市栄区=から相模原市民生委員児童委員協議会の原裕子会長に手渡された。民生委員・児童委員は高齢者や障害者、子育て中の人など、福祉に関わる問題を抱える人の支援に取り組んでいる。原会長は「活動に役立てたい」と話していた。

 冊子は心理教育カウンセラーでもある田中さんが、東日本大震災や熊本地震で被災者の話を聴くカウンセラー養成に携わった経験を基に執筆した。インターネット上で募金活動を行う「クラウドファンディング」の手法で全国から100万円が集まり、1万部を作製。手始めに相模原市内などで配布し、今後横浜市栄区内でも配布する予定という。

 冊子についての問い合わせは、メールで田中さんへ。アドレスはdon@song.ocn.ne.jp

目録を手渡す田中純さん(中央) =相模原市中央区のあじさい会館

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