F1第10戦イギリスGP決勝トップ10ドライバーコメント

 2018年F1第10戦イギリスGP決勝トップ10に入ったドライバーたちが日曜日を振り返った。

■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=優勝

 どのレースもチームのためのレースだが、今回の勝利は僕らにとってより重要だ。この数年、ここでは苦労していたからね。

 今年の僕らは、いつ、どのサーキットで走っても強い。マシンが強力で速いということが何より大切だ。

 ここに持ち込んだアップデートは週末を通してよく機能していた。予選ではあと一歩ポールに届かなかったけど、決勝ではとても速かった。ファーストスティントではソフトタイヤで少しプッシュしすぎたと思うが、セカンドスティントではうまくコントロールして走った。

 セーフティカーが出動することでレースがエキサイティングになったけれど、トリッキーな展開でもあった。それでもタイヤ戦略がとてもうまくいき、最終的にチームにとって最高の勝利を手に入れることができた。

 今日は本当に楽しんで走った。僕自身にとってもチームにとってもうれしいことだ。スタートが重要だったけど、そこがすごくうまくいったよね。

 これからも努力し続けなければならない。今日勝てたのはチームの全員のおかげだ。感謝している。

(FP3で訴えていた首の痛みについてF1のインタビューで聞かれ)問題なかったよ。アドレナリンが出ていたからかもしれない。今夜は痛むかもしれないけど、別にかまわない。最高のレースができたんだから。

(接触についてF1公式サイトのインタビューで語り)あの後、マシンのリヤが不安定になったから、フロアが壊れたか何かしたんじゃないかと心配していた。でもセッティングを少し調整したら、良くなってきた。ファンのために勝つことができず、申し訳なく思う。彼らが応援してくれたからこそ、今日を切り抜けることができた。

■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 決勝=3位

 スタートは完璧とはいえないものだった。ターン3でイン側のホイールをロックして、グリップを失い、思うように減速できなかった。それでルイス(・ハミルトン)のリヤホイールに接触してしまい、彼はスピンした。

 10秒のタイムペナルティを消化しなければならず、その後のレースは順調には行かなかった。オーバーテイクが難しく、レッドブル勢と何周にもわたって戦わなければならなかった。前があいた状態ではペースは良かったが、彼らの後ろにつくと、メルセデスよりも乱気流の影響が大きいように感じた。ダウンフォースを失い、マシンバランスが乱れてしまい、僕の方がずっと速いのに、彼らの後ろに近づくことができないんだ。

 レースの序盤と終盤に、かなり長い時間、バトルをすることになった。最終的には抜くことができて、それからメルセデスの1台もオーバーテイクすることができた。

 楽な一日ではなかったけれど、ベストを尽くしたし、それなりにうまく挽回できたと思う。

(F1のインタビューでハミルトンとの接触について聞かれ)僕のミスだ。だからペナルティを受けても仕方ない。僕が悪いことをした。でも時にはこういうことも起きるものだ。
            
 わざとしたと非難するのはおかしい。運悪く接触してしまったけれど、僕らはその代償を払った。

■メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ
バルテリ・ボッタス 決勝=4位

 すごくがっかりしている。レースをリードしながら、残り数周で4位に落ちてしまうなんて、最悪の気分だ。

 ライバルたちはセーフティカーが出動した際にピットに入った。僕らはリスクを冒し、ステイアウトしてセバスチャン(・ベッテル)の前に出た。最初はうまくいったし、いい感触を持って走っていた。リスタートでリードを守るために全力を尽くし、予選のようにプッシュした。でもあと5周というところでタイヤの状態が悪くなった。トップを諦めたくなくて、あらゆることをやってみたけれど、そのころにはもう、新しいタイヤを履いたマシン相手に戦う力がなかった。

 1回ストップは簡単には成功しないと分かっていたが、リスクを冒した。でも残念ながらミディアムでのスティントが少し長すぎたんだ。

 こういうことは後から考えれば簡単だ。あの時点ではステイアウトしようという判断をし、僕も同意した。今日は楽に2位を獲得できたはずだったが、勝利をつかみに行ったんだ。
               
 これからもベストを尽くし続ける。いずれはそれが報われると信じている。
  
(1回ストップを選んだことについて)最後まで行けると思っていた。プラクティスではミディアムでのロングランはしていなかったけれど、チームの計算上では問題ないはずだった。ところが実際はそうではなかった。

■アストンマーチン・レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 決勝=5位

 今日の僕らは、ただ単純に速くなかった。1周目はちょっとクレージーで面白かったね。ルイス(・ハミルトン)に何が起きたのか知らないけど、とにかく彼がスピンしているのが見えた。その後はマックス(・フェルスタッペン)とキミ(・ライコネン)がいいバトルをしていた。

 2度のリスタートで緊張感は高まったものの、僕らはストレートでのスピートが遅くて、できることはあまりなかった。フェラーリやメルセデスと戦うには、どうにもこうにも遅すぎたということだ。クリーンエアで走っていれば、クルマはかなり良かったと思う。特に第2スティントでミディアムタイヤを履いた時には、キミを少し引き離すこともできたし、マックスにも追いつき始めていた。そして、チームが2ストップ戦略で行こうと決め、僕をピットに入れた直後に、セーフティカーが出動した。ひどく不運なタイミングで、僕はトラックポジションを失ってしまった。終盤には、タイヤに苦しんでいた(バルテリ・)ボッタスを抜こうとトライしたけど、彼の背後に迫るとダウンフォースを失い、僕のタイヤも彼と同じような状態になって苦戦した。先週、キミの後ろを走った時と似た感じで、彼がミスをしてくれない限り、とても抜けそうになかった。ストレートでDRSを使っても、向こうの方がはるかにパワーがあった。

 モナコ以降、いろいろなことがうまく行っていない。モナコでは勝てたけど、あれで終わりにはしたくないんだ。これから1週間のオフをもらえてうれしいよ。僕はレースが好きだけど、ひとまずあのクルマを1週間休ませたい。あいつには、いったん自分自身についてよく考えてから、ドイツに来てほしいんだ(笑)。ドイツでシュニッツェルでも奢ってやろうかな。もしかしたら、何か僕が言ったことで、気を悪くしているのかもしれないから。でも、とりあえずは、バモス・ア・ラ・プラヤ(スペイン語で「ビーチへ行こう」、ポピュラーソングのタイトル)だ。

■ルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ヒュルケンベルグ 決勝=6位

 とてもハッピーだ。ポジティブな一日だったね。このサーキットでは、これ以上の成績は望めなかったと思う。いいスタートを決め、1周目も着実に走って一気に6番手まで浮上した。ターン2と3でかなりの混乱があり、そこをうまく切り抜けられたおかげで、ずいぶんポジションを稼げたんだ。

 それ以降は、タイヤとレースそのもののマネジメントの勝負だった。ピットストップではハードタイヤを選んだ。これはちょっとペースが遅かったかもしれないが、とにかく1ストップで最後まで行きたかった。

 全体としては、いいレースができた。終盤にはレッドブルの1台(マックス・フェルスタッペン)がスピンして、もうひとつポジションを上げることができたしね。チームのために8ポイントを獲得できて良かった。

エステバン・オコン 決勝=7位

 今日の結果にはとても満足している。厳しいレースだっただけに、7位に入れてうれしい。セーフティカーのおかげで、ずいぶん苦労をさせられた。リスタートの時にはタイヤがすっかり冷えていて、終盤にフェルナンド(・アロンソ)とケビン(・マグヌッセン)を抑え続けるのは、本当に大変だったんだ。フィニッシュまで激しいバトルが続いて、精神的にものすごく疲れたよ。

 先週オーストリアでかなりのポイントを稼いだ後、ここでさらに得点を追加できたことが重要だ。クルマは良くなってきたし、いいレースができているから、ハードワークを続けてきたチームのみんなに「ありがとう」と言いたい。これからもプッシュし続ければ、結果はついてくると思う。

■マクラーレンF1チーム
フェルナンド・アロンソ 決勝8位

 とてもいいレースだったと思う。セーフティカーが2回入ったことで状況が変化し、ファンにとって素晴らしいショーになったんじゃないかな。

 普通のレースで8位なら喜ばしいけれど、セーフティカーが出動し、終盤、僕らはイエロータイヤ(ソフト)を履いていて、ピットインしていないマシンもいた。つまりレース終盤にはタイヤの面で僕らに明らかにアドバンテージがあったのだが、トラフィックに引っ掛かっていたために、それをうまく生かすことができなかった。

 ケビン(・マグヌッセン)がターン7で僕をコース外に押し出した。あれがなければ、エステバン(・オコン)やニコ(・ヒュルケンベルグ)を相手に6位争いができたと思う。でもケビンにペナルティが出なかったから、最終ラップに自力で彼を抜いた。

 今回もチームのためにポイントを稼げたことはよかった。でも今後は純粋に自分たちのパフォーマンスによってこの位置をつかめるようになりたいものだ。

 僕らは週末のなかで土曜の予選で一番苦戦し、パフォーマンスが振るわないが、日曜の決勝になるとルノー、フォース・インディア、ハースと同じグループで走れる。だから予選パフォーマンスを向上させる必要があるんだ。

(マグヌッセンの走りについてCrash.netに語り)ケビンはターン7で僕をコース外に押し出した。僕はアウト側を走り、通常のラインに戻ってくるとグラベルに押し出された。バトルの際には相手にスペースを残すという決まりがある。それを守らない者がいるというのに、何の対処もなされない。

 彼はいつもどおりアグレッシブだった。でも今日のFIAは寛大だった。ああいうケースでは99パーセントがペナルティを科されるか、ポジションを戻すよう言われる。でも今日は(スチュワードは)そういうアプローチを取らなかった。僕らはそれを受け入れなければならず、自力でコース上で彼をオーバーテイクした。

■ハースF1チーム
ケビン・マグヌッセン 決勝=9位

僕は2ポイントを獲得した。ともあれ、大事なのはそこだ。今日のところは、これ以上は無理だった。もっといい結果を残せたかもしれないし、そうなって然るべきだったが、結果としてこの位置だ。それでもポイントは獲った。

■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 決勝=10位

 今日のレースについては、あまりハッピーとは言えない。スタート直後の出来事で、僕のレースは台無しになってしまったからだ。前方で起きたアクシデントを避けようとしたらリヤエンドが流れ出し、スピンして、いきなりフィールドの最後尾に落ちたんだ。

 ただ、その後のペースは良かった。いいペースで走れたし、かなりの台数を抜いてきた。そして、2度のセーフティカーもうまく生かして、ポイント圏内まで挽回できた。

 残り2周になったところで、(ピエール・)ガスリーにコース外に押し出された。僕は彼に十分なスペースを与えていたのに、それでは足りなかったようだ。結果として接触が起き、僕はひとつ順位を失った。あれはフェアな追い越しではなかったと思う。FIAがアクションを起こして、レース後にガスリーにペナルティを与えたことに感謝するよ。おかげで最後の1ポイントを取り戻すことができた。

 こうしてトリプルヘッダーが終わったので、とりあえず休息を取りたいね。その後で、この3連戦についての分析をして、ドイツに向けて十分な準備をしたい。

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