西日本豪雨 本県も食品入荷滞る トラック運輸 山陰へ迂回

 西日本豪雨で中国地方の高速道路が寸断され、その余波は本県の流通にも及んでいる。生鮮食品などの納入が滞り、影響の拡大を懸念する声も聞かれた。
 幸運トラック(大村市)の関西方面行き長距離トラックは、広島の山陽自動車道が通行止めとなり、国道を利用したが、渋滞に巻き込まれ最大2日半要した。中国自動車道も一部通行できず、現在は山陰地方へ迂回(うかい)し、大阪までの所要距離は通常の600キロから900キロに伸びた。同業他社も山陰自動車道に集中し渋滞。同社は「ドライバーの安全が第一。休憩を多く取らなければならず到着時間の約束ができないが、お客さまに了承いただいている」とする。
 イズミ(広島市)が運営する大型商業施設ゆめタウン夢彩都(長崎市)は、京都の豆腐や関西の練り物の納入が滞ったが、「県産品で補っている」。スーパーのエレナ(佐世保市)は一部の乳製品や納豆、雑誌などが届かず、店頭表示で欠品を説明。担当者は「お客さまにご迷惑を掛けないよう売り場展開している。ただ今後、原材料を調達できないメーカーがどれだけ出るか気になる」と復旧の行方を注視する。
 長崎市中央卸売市場は、長野や群馬の野菜が入荷しなかったが、「今のところ取扱量全体への影響はさほど大きくない」としている。
 豪雨は中元シーズンを直撃。浜屋百貨店(長崎市)は岡山のモモやブドウを産地直送する予定だが、「できなくなるか遅れるか分からず、お客さまの対応に追われている」と担当者。他の商品の配送も遅れが出始めている。
 県は9日、サプライチェーン(部品の調達・供給網)が広範囲にわたる自動車関連企業に聞き取り調査。遅延はあるものの、現時点で操業に影響はないという。
 一方、長崎自動車(長崎市)の高速乗り合いバスは長崎-大阪・京都線、長崎-名古屋線がどちらも6日から運休。状況を見て運行再開するか判断する。

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