長崎バイオパーク(西海市西彼町)の温室「フラワードーム」で、1羽の「チャムネエメラルドハチドリ」が飼われている。自由に飛び回り「チーチー」とさえずりは聞こえるが、周囲の植物の緑と同化して見つけるのは至難の業。伊藤雅男副園長は「心のきれいな人しか見つけられません」と笑いながら話す。
チャムネエメラルドハチドリは体長10センチ、体重6グラム。南米のペルーなどに生息し、その毛色の美しさから「空飛ぶ宝石」ともいわれる。日本にハチドリは生息せず、現在、国内で見られるのはバイオパークだけという。2009年にペルーから輸入した6羽のうち1羽が残っており、職員からは「チッチ」と呼ばれている。
チッチを見つけるためのポイントがある。ドーム内の餌場に蜜の入った容器があり、時々、ホバリングをしながらくちばしを入れている。この姿をカメラに収めようと訪れる人も少なくないという。
伊藤副園長によると、ハチドリの寿命は野生で5年、飼育下で10年程度。ハチドリの輸出はワシントン条約で規制されており、新たな輸入は難しいという。伊藤副園長は「チーチーという鳴き声がドームで聞こえなくなる前に、目に焼き付けてほしい」と話している。
「空飛ぶ宝石」見つけに来てね ハチドリ「チッチ」 国内で唯一飼育 長崎バイオパーク
- Published
- 2018/07/11 00:02 (JST)
- Updated
- 2018/12/10 16:05 (JST)
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