島原半島―熊本 観光バスツアー 雲仙市の航路補助好調 2カ月で年間目標上回る

 長崎県雲仙市は、熊本県側からフェリー航路を使った観光バスツアーの誘客を図ろうと、5月から旅行会社にフェリー代を補助する制度を始めた。全国から予想を上回る申し込みがあり、好調な滑り出しだ。
 市は昨年度から「観光周遊促進強化事業」として、市内の旅館やホテルに宿泊する団体旅行を企画した旅行会社に対し、貸し切りバス(乗客15人以上)の台数に応じて補助する制度をスタート。島原半島の観光施設に2カ所以上立ち寄ることを条件とし、半島周遊を促す。
 今年5月からは半島発着の3航路のフェリーを使った場合、片道あたり5千円の補助を追加。3航路は多比良港(同市国見町)-長洲港(熊本県)、島原港-熊本港、口之津港(南島原市)-鬼池港(天草市)。バスツアーには九州を周遊するプランも多く、「九州新幹線やフェリーを使えば、大分や熊本方面から島原半島の温泉巡りが容易にできることを知ってもらいたい」(市観光物産課)との狙いがある。
 5月の受け付け開始以降、全国の旅行会社から問い合わせが殺到。約2カ月で年間目標の47件を上回る50件の申し込みがあった。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界遺産に登録されたこともあり、今後は構成資産がある南島原、天草両市を結ぶ航路の利用も増加するとみられる。同課は「雲仙を拠点にした新たなツアーコースの開発につなげ、半島一体となった観光振興を進めたい」としている。

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