バトンつないで 2018 第21代高校生平和大使【7】

 〈設問〉(1)平和や核問題について関心を持ったきっかけ(2)もしも自分が日本の首相なら、核兵器廃絶の実現に向けて、まず何に着手するか(3)「平和」と聞いて思い浮かぶ情景(4)古里の「おすすめ平和スポット」とその理由

◎阿部(あべ)くるみさん(16)=不来方高2年(岩手県)= 「当たり前」を大切に

 (1)小学6年の時、児童会の副会長をしていた関係で、花巻市の非核平和学習会に参加し、広島を3日間訪問。平和記念式典に出席するなどした。当時は「怖いな」という印象は持ったが、本当にそのようなひどいことが起こったのか実感が湧かず、具体的な平和活動はできなかった。6年生の時の経験を生かしたい気持ちから、平和大使に応募し、高校生一万人署名活動に参加。被爆者の思いを次世代へ伝えたい(2)若者に戦争への関心を持ってもらえるよう、各都道府県の学生を被爆地に派遣したい(3)家に帰ったら家族がいて、温かいご飯があり、次の日を迎えられるという当たり前の日常。ささいなことに思えるが、「当たり前」を大切にできるようになりたい(4)高校の最寄り駅にある今川焼き屋「味の三橋屋」。放課後に友人と今川焼きを食べながらおしゃべりすると笑顔があふれる。

◎西川 実知花(にしかわ・みちか)さん(16)=東筑紫学園高1年(福岡県)= 人のために行動する

 (1)共に暮らしている祖父母は戦争体験者。私が幼い頃から「平和ほど尊いものはない」と語ってくれたり、本や新聞の記事を薦めてくれたりしていたため、自然と平和とは何か、核兵器廃絶のために何ができるのかと考えるようになった(2)戦争の記憶が風化する中、若者へ平和教育を積極的に行いたい。平和や核兵器について主体的に考える授業を取り入れたい(3)人々が助け合い、思いやりを持って笑顔で過ごしている情景。平和は人々の何げない幸せがあるからこそ成り立っている。人のために行動することも立派な平和活動だ。平和の根幹は、人々が忘れがちな普段の毎日の中にあると思う(4)「筑前町立大刀洗平和記念館」。かつて東洋一とうたわれた旧陸軍大刀洗飛行場の歴史について詳しく知ることができ、「零式艦上戦闘機(ゼロ戦)」など戦闘機の展示や特攻隊に関する展示がある。

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