「友だちと仲良くして平和に」 「青い目の人形」歴史学ぶ 島原第一小

 日米親善を願い米国から贈られた「青い目の人形」が保管されている島原市立第一小(堀口達也校長、490人)で11日、4年生81人が人形の歴史を通じ、平和について考えた。
 市内の有志でつくる「島原親善人形の会」(大隅謙一郎代表、38人)が平和学習の一環として毎年実施している。
 同会によると、青い目の人形は排日運動が始まった1927年、親日家だった米国人宣教師シドニー・ギューリック博士の呼び掛けで日本に人形約1万2千体を贈った。日本からも本県の「長崎瓊子」などの返礼人形が海を渡った。しかし、日米開戦後は“敵国人形”として焼却された。
 戦後、難を逃れた人形は第一小の倉庫屋根裏から見つかり、児童から「リトルメリー」と名付けられた。県内には214体が贈られたが、ほかに平戸市に1体があるだけという。
 元第一小校長の大隅代表はこうした人形の歴史を説明。「リトルメリーには、互いに仲良くしようというメッセージが込められている」と強調した。児童代表の横田詩穂さんがお礼を述べ「これからは友だちと仲良くし、平和になるようにしたい」と話した。

学習後、島原親善人形の会の関係者(右)の説明に耳を傾け、リトルメリーを間近に見る児童=島原市立第一小多目的室

© 株式会社長崎新聞社