JX金属・磯原工場、製造現場のIoT化進む ターゲット材、検査工程の自動化など

 JX金属は、スパッタリングターゲット材などを製造する磯原工場(茨城県)において、製造現場のIoT化を図る取り組みを本格化させている。ターゲット材とバッキングプレートの接合部分を検査する工程を完全自動化できるシステムを導入し、来月から運用を開始する予定。さらに梱包工程におけるヒューマンエラーを防ぎ、作業者の負担を軽減する支援システムも導入した。

 ターゲット材とバッキングプレートの接合部分を検査する超音波探傷検査(UT)には、これまで作業者2人が製品を検査機に運んでいた。製品によっては1個当たり30キロほどの重量があることに加え、製品にキズがつかないよう慎重に扱う必要もあるため、機械による自動化に切り替えることで作業者の負担を大幅に減らすことができる。また、夜間でも自動検査を行うことが可能なため、生産性も大幅に向上する。自動検査システムでは自動のアームがカメラで製品の色や形を認識し、吸着で持ち上げて検査機の所定の位置まで運搬される。さらに検査が完了した製品を持ち上げ、所定の位置に戻す作業も行う。

 また、梱包工程では、製品ごとに使う箱やパッケージ、ラベルの貼付位置が異なり、その量が膨大なため、製品に付けたバーコードを読み込むとコンピューターが必要な情報を提供する支援システムを導入した。

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