昭和電工、技術文書活用システムを共同開発

 昭和電工は11日、人工知能(AI)に詳しいシナモンと共同で、AIを活用した技術文書活用システムを開発すると発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「AIシステム共同開発支援事業」の助成事業として採択されている。2019年2月までに技術文書の検索ヒット率80%の達成を目指す。

 日本の製造業が長年蓄積した技術文書には貴重な知見が多数含まれるが、その多くが紙資料として保管されている。この電子データベース化は多くの産業に共通する課題だが、膨大な紙資料を人手で電子化するのは現実的に難しい。さらに手書き文字を含む技術文書の場合、既存の自動文字認識(OCR)技術では十分な読み取り精度が得られず、電子データベース化は一層困難となっている。

 昭和電工とシナモンは共同で課題に取り組み、手書き文字を含む技術文書をAIで高精度自動読み取りし電子テキスト化する機能と、利便性の高い検索機能を併せ持つ、技術文書活用を目的としたデータベースシステムの開発に取り組む。

 AIと画像解析の双方に関する知見と高度なプログラミング技術を持つシナモンと、石油化学・カーボン・アルミ製品など多岐にわたる分野で豊富なリアルデータ(技術文書)を保有する昭和電工が協力・連携し、実用性の高いシステムの創出を目指す。技術文書に特有の類似の用語や言い回しも考慮して、検索機能を構築する。

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