スマホ自転車事故に禁錮2年求刑 検察「安全の意識欠如」

 スマートフォンと飲み物を持ちながら電動自転車に乗り、歩行者に衝突して死亡させたとして、重過失致死罪で在宅起訴された元大学生の女性(20)の初公判が12日、横浜地裁川崎支部(江見健一裁判長)であり、被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は禁錮2年を求刑し、即日結審した。

 論告で検察側は「安全運転への意識が欠如しており、極めて悪質。遺族の処罰感情の大きさも考慮すべき」と指摘。弁護側は「大学を退学するなど制裁を受けている」とし、執行猶予付きの判決を求めた。

 検察側によると、被告は歩行者に衝突する直前まで左手に持ったスマホを操作していた。右手には飲み物を持ち、左耳にはイヤホンを着けて音楽を聴いており、スマホをポケットにしまった直後に事故を起こしたという。

 被告は「人として許されないことをしてしまった。危機意識のなさや自分の甘さ、自己中心的な性格から起きた」などと述べた。保育士になるという夢も、人の命を預かる仕事に就く資格はないとして諦めたと明かした。

 起訴状によると、被告は昨年12月7日午後3時15分ごろ、川崎市麻生区の歩行者専用道路で電動自転車を運転。スマホの操作に気を取られて安全確認を怠り、歩行者の女性=当時(77)=に衝突して2日後に死亡させた、とされる。

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