【独自】新幹線殺傷 地検が男の鑑定留置を請求へ 

 神奈川県の新横浜-小田原間を走行中の東海道新幹線で6月に起きた乗客3人の殺傷事件で、殺人容疑などで送検された住所不定、無職小島一朗容疑者(22)の刑事責任能力を調べるため、横浜地検が近く、鑑定留置を請求する方針を固めたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。

 同容疑者はこれまでの調べに対し「人を殺す願望は昔からあった。誰でもよかった」などと供述。無差別に乗客を狙ったとみられ、地検は同容疑者が当時、どのような精神状態にあったか、専門家による鑑定が不可欠と判断したもようだ。責任能力の有無や程度を調べ、起訴の可否を判断するとみられる。

 県警は9日、静岡県三島市のJR東海の施設で、事件現場となったのぞみと同型の車両に同容疑者を立ち会わせて実況見分し、事件当時の状況を確認していた。

 事件は6月9日夜、東京発新大阪行きのぞみ265号(16両編成)の12号車で発生。女性2人が刃物で切りつけられ、制止しようとした男性会社員(38)が殺害された。

事件発生後、小田原駅に停車中の新幹線=9日午後11時30分ごろ、小田原市

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