バトンつないで 2018 第21代高校生平和大使【8】

 〈設問〉(1)平和や核問題について関心を持ったきっかけ(2)もしも自分が日本の首相なら、核兵器廃絶の実現に向けて、まず何に着手するか(3)「平和」と聞いて思い浮かぶ情景(4)古里の「おすすめ平和スポット」とその理由

◎尾口(おぐち)あざみさん(17)=一関第一高2年(岩手県)= 大震災きっかけに

 (1)きっかけは東日本大震災。同世代の子が、目の前で人が流される姿を目撃したり、親戚や友人を亡くしたりしたと聞き、大きな衝撃を受けた。幼くして厳しい現実に向き合わなければならなくなった人へ心の支援をしたいと思うようになり、核問題や自然災害など平和を脅かす問題について関心を持った(2)平和教育を充実させたい。広島や長崎の方々は被爆を忘れてはならないと世界へ訴えている。その思いを受け取る場を日本にも設けるべき(3)国籍や性別の違う人たちが笑って食卓を囲む姿(4)八木澤商店の醤油(しょうゆ)工場。震災前は陸前高田市にあった。津波で工場も醤(ひしお)も流され、営業再開は不可能と思われていたが、醤油の健康効果を研究していた研究所で醤が見つかり、一関市に新たな工場を建て再スタートを切った。現在、本社と店舗は陸前高田市に戻っている。まさに復興の希望だ。

◎向暁 美桜(こうぎょう・みお)さん(17)=佐伯鶴城高3年(大分県)= 被爆者の心をケア

 (1)小学校の修学旅行で長崎を訪ね、原爆資料館を見学した。焦げた弁当箱を見て「原爆は、日常生活を送る中に、突然落ちてきたのだ」と感じ、戦争の悲惨さと核の恐ろしさを知った。大分に戻り、修学旅行の振り返りをする中で、強制連行など日本の戦争加害も知り、平和についてきちんと学びたいと思うようになった(2)在外被爆者も含めた被爆者への支援。被爆講話をしている方でも、当時のことを「思い出したくもない」と言っていた。心のケアも必要だと思う(3)きれいな空と青い海。人種や世代を超え、たくさんの人が笑っているところも思い浮かんだ(4)「佐伯市平和祈念館やわらぎ」。戦争や平和に関する資料が展示されていて、家族や友人と共に過ごすことができる平和のありがたさを感じられる。隣接する公園は芝生が広がり、ほのぼのとした気分になれる場所。

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