振り込め防止「声掛け重要」 横須賀で元警察庁長官が講演

 元警察庁長官で、警察共済組合の金高雅仁理事長が12日、「世界一の治安とするために」をテーマに、湘南信金(横須賀市大滝町)で講演した。後を絶たない振り込め詐欺の被害や海外の治安情勢について、データも示しながら解説した。

 金高理事長は防犯に関する全国統計のデータなどを基に、「金融機関職員らの声掛けが徹底されたおかげで、被害件数とほぼ同数が未遂にとどまっている」と述べ、声掛けの重要性を説いた。

 また交番制度を導入し、治安が改善したシンガポールを例に挙げ、「交番は日本が生んだ素晴らしい仕組み。人口減少社会では、役割がさらに重要となる」などと強調した。

 金高さんは富山県警本部長、警察庁刑事局長などを歴任。神奈川県警では警務部長を務めた。長官在職中は伊勢志摩サミットの警備を指揮、指定暴力団山口組の分裂に伴う抗争への対応にも当たった。講演会は「湘南信和会」(福嶋義信会長)の主催で、約130人が聴講した。

「金融機関が振り込め詐欺を防いでいる」などと説明する金高さん

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