「子どもたちに笑顔を」 川崎のすし店が図書寄贈し交流イベント

 川崎市中原区のすし店「天然素材蔵」は「少しでも恩返しを」と地元の学校などに図書購入費を寄贈する活動を行っている。12日にはご当地アイドル「川崎純情小町☆」と、ももすもも元住吉保育園(同区木月住吉町)を訪問し、図書カードを寄贈し、園児らと交流した。

 純情小町のメンバー4人から園児代表の山元航大ちゃん(2)に目録を手渡し、園児からは同保育園のオフィシャル応援団としての認定状が渡された。4人は、0~2歳児14人に歌を披露したり、色紙にサインや動物の絵を描いたりして交流した。同園の城所美奈子代表は「子どもたちの好きな絵本を購入したい。アイドルと触れ合い、子どもたちも大喜びだ」と話した。

 同店の瀧永聡社長(48)は兵庫県にいた1995年に阪神大震災に遭い、ボランティアなどを行った経験がある。その際、食料を求めて社員寮に忍び込んで食事をしていた母子の姿が忘れられず、「目の前にいる人に笑顔を」と、会社員から回転すし店に転職し、独立した。

 かわさき名産品に認定されている「ライスワイン ビネガー&フルーツ」などの売り上げの一部を地元の小中学校などに図書カードとして寄贈する活動を2年前に始めた。

 「ただ贈呈するだけではつまらない」(瀧永社長)と、純情小町や市議、中小企業経営者らが協力し、交流イベントも行うようになった。瀧永社長は「子どもたちの笑顔のためにも、今後も続けていきたい」と話している。

ももすもも元住吉保育園の園児らと交流する川崎純情小町☆や瀧永さん(右端)

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