色鮮やかインドの山車 川崎、商店街練り歩き

 インドの伝統的な山車祭り「ラタジャトラ」が15日、川崎市川崎区の川崎駅周辺で開かれ、地元のインド人コミュニティーの人々が制作した高さ約3メートルの色鮮やかな山車が商店街を練り歩いた。音楽や舞踊も披露され、猛暑の中で参加した人たちが、インド文化を堪能した。

 インド南東部にあるオリッサ州プリーのジャガンナート寺院で毎年この時期に行われるインド最大級の祭り。同州出身者らのNPO法人「オディサコミュニティージャパン」が主催し7回目。米国・ニューヨークなど世界各国でも同時期に開催されている。

 同NPO副代表で会社員のミュシュラ・ギャニンドラさん(40)は「ラタジャトラは差別や貧富の格差をなくそうという祭り。インドの伝統文化を知ってほしい」と、多文化共生に力を入れる川崎市で開催する趣旨を語った。

 今回から日本人支援者が「ラタジャトラを成功させる会」実行委員会を発足させた。メンバーの黒江三栄子さん(62)は「川崎駅周辺に住み、周辺のIT企業などに勤める約900人のインド出身者にとって祭りは故郷を思う日で、心の支えになっている」と話した。

インドの歌や踊りを披露しながら商店街を練り歩く山車=川崎市川崎区

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