藤沢対決、翔陵に軍配 高校野球南神奈川大会第7日

 第100回全国高校野球選手権神奈川大会第7日は16日、サーティーフォー保土ケ谷球場など8球場で2回戦16試合を行った。

 南神奈川は藤沢翔陵が第2シードの日大藤沢に6-5で逆転勝ち。第1シードの鎌倉学園は10-0の五回コールドで寒川を下した。今大会が最後の出場となる磯子は横浜清陵に七回コールドで敗れた。

 北神奈川では、第2シードの白山が厚木西に六回コールド勝ち。川崎工科の右腕中森恵太(3年)は津久井を4安打で完封した。

 17日は試合がなく、第8日は18日、サーティーフォー相模原球場など8球場で南神奈川大会の3回戦16試合を行う。

▽2回戦(サーティーフォー保土ケ谷)

藤沢翔陵

100 001 013|6

001 004 000|5

日大藤沢

 【評】藤沢翔陵が、日大藤沢の2投手の外角直球を狙い打ちし、9二塁打を含む先発全員の16安打。2点を追う九回に3二塁打で逆転した。力で押す右腕石井からかわす内野、白坂への継投も見事。日藤は隙のない野球を見せたが、終盤に投打で力負けした。

◆藤沢対決 翔陵に軍配

 舞台は完璧に整っていた。九回に2点差を追い付き、なお2死二塁。2二塁打を含む3安打を放っていた藤沢翔陵の6番宮川は、「絶対自分が決めようと思っていた」。打球はまるでシナリオ通りに左翼手の頭上を越え、決勝二塁打となった。

 翔陵打線は、第2シードの日大藤沢を昨夏8強に導いた新村、武冨の両左腕に16安打を浴びせた。先発に右打者8人を並べ、「2人とも外角中心なので、そこをきっちりたたく」(宮川)という狙いは明確だった。

 約束はもう一つあった。「ファーストストライクを思い切り打つ」。春の県大会3回戦。横浜を相手に待ちの打撃に終始してコールド負けした反省が、選手たちを動かしていた。この日は守備の乱れから六回に一時逆転されてもぶれずにやり切った。

 ヒーローは「ベンチやスタンドが喜んでいるのが一番うれしかった」という。仲間から借りている帽子のツバには、チームテーマの「執念」と書こうとして間違えてしまったという「報恩」という言葉が光る。

 恩に報いるという仏教用語だ。翔陵は部員122人の大所帯。思いにはバットで応えていく。

◆第2シード初戦で涙

 第2シードの日大藤沢が3点のリードを守り切れず初戦で散った。六回には相手守備の乱れを好走塁で突き、一挙4点を奪い試合をひっくり返した。山本監督の「これで勝った気になるなと言っていたんですが」という嫌な予感は的中した。

 昨夏8強に導いた好左腕新村は、調子が上がらないまま終わった。二枚看板だった2年生の武冨に「素材は自分より上。1人で甲子園に連れていける投手になってほしい」とエールを送った。

【日大藤沢-藤沢翔陵】9回表藤沢翔陵2死二塁。宮川が決勝の左越え二塁打を放つ=サーティーフォー保土ケ谷球場

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