鄭成功の遺徳しのぶ 平戸で生誕祭

 平戸生まれの明(中国)の遺臣、鄭成功(ていせいこう)の生誕祭が14日、平戸市川内町の鄭成功記念館であり、市内や台湾などから約150人が遺徳をしのんだ。
 鄭成功は1624年、中国人海商、鄭芝龍(ていしりゅう)と平戸の女性、田川マツとの間に産まれた。成人後、衰退していた明の再興を掲げて清と戦い、オランダが占領していた台湾を解放し拠点とした。62年没。近松門左衛門の「国性爺合戦(こくせんやがっせん)」のモデルとしても知られる。
 式典では、鄭成功の像に玉串がささげられた。李杰宏(りけっこう)台北駐福岡経済文化弁事所渉外課長は「台湾でも尊敬される英雄の生誕祭が行われるのは意義深い。日本や平戸との緊密な関係がさらに促進することを望む」とあいさつ。和太鼓演奏や、国指定重要無形民俗文化財の中野ジャンガラも披露された。

鄭成功の遺徳をしのび拝礼する参列者=平戸市、鄭成功記念館

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