サファテ不在でパは混戦模様に…2017-2018年の前半戦成績比較【パ編】

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

昨年は楽天とホークスが競り合うも、今季は一転、混戦模様

 NPB各球団は、オールスター前にすでにシーズン143試合の過半数にあたる試合数を消化しているが、プロ野球ではオールスター前までを前半戦、オールスター後を後半戦と呼んでいる。今季の前半戦を、昨年の同期と比較してみよう。まずはパ・リーグから。

【球団成績】
○2017年
1楽天 75試50勝24敗1分 勝率.676 差–
2ソフトバンク 83試53勝30敗0分 勝率.639 差1.5
3西武 79試43勝34敗2分 勝率.558 差8.5
4オリックス 80試38勝41敗1分 勝率.481 差14.5
5日本ハム 82試31勝51敗0分 勝率.378 差23.0
6ロッテ 81試25勝55敗1分 勝率.313 差28.0
○2018年
1西武 78試46勝31敗1分 勝率.597 差–
2日本ハム 79試44勝34敗1分 勝率.564 差2.5
3ソフトバンク 76試39勝37敗0分 勝率.5132 差6.5
3オリックス 80試39勝37敗4分 勝率.5132 差6.5
5ロッテ 80試40勝38敗2分 勝率.5128 差6.5
6楽天 79試29勝49敗1分 勝率.372 差17.5

 昨年は楽天とソフトバンクが勝率6割台で激しく競り合い、これを西武が追う形。この時点でポストシーズン進出が、この3チームにほぼ絞られていたと言える。

 今年は楽天だけが勝率3割台に沈み、残る5球団が5割以上。首位西武と5位ロッテまでがわずか6.5ゲーム差と混戦状態だ。ペナントレースとしては今年の方が面白いと言えよう。

 前半戦の個人成績を比較してみたい。

【打撃成績】
・安打数5傑
○2017年
1浅村栄斗(西)101
2秋山翔吾(西)100
3西川遥輝(日)97
4柳田悠岐(ソ)92
5銀次(楽)90
○2018年
1秋山翔吾(西)114
2柳田悠岐(ソ)101
3中村奨吾(ロ)95
4浅村栄斗(西)94
4源田壮亮(西)94

・本塁打5傑
○2017年
1柳田悠岐(ソ)23
2デスパイネ(ソ)21
3ペゲーロ(楽)20
4ウィーラー(楽)19
4レアード(日)19
4中村剛也(西)19
○2018年
1山川穂高(西)23
2柳田悠岐(ソ)20
3デスパイネ(ソ)19
4浅村栄斗(西)18
5中田翔(日)17

・打点5傑
○2017年
1柳田悠岐(ソ)75
2デスパイネ(ソ)60
2ペゲーロ(楽)60
4浅村栄斗(西)59
5レアード(日)58
○2018年
1山川穂高(西)70
2浅村栄斗(西)62
2中田翔(日)62
4井上晴哉(ロ)59
5柳田悠岐(ソ)58

・盗塁5傑
○2017年
1西川遥輝(日)25
2源田壮亮(西)24
3外崎修汰(西)14
4柳田悠岐(ソ)12
5秋山翔吾(西)9
5今宮健太(ソ)9
○2018年
1西川遥輝(日)25
1源田壮亮(西)25
3中村奨吾(ロ)23
4金子侑司(西)21
5外崎修汰(西)20
5荻野貴司(ロ)20

・打率5傑(規定打席以上)
○2017年
1柳田悠岐(ソ).327
2銀次(楽).325
3茂木栄五郎(楽).319
4秋山翔吾(西).318
5浅村栄斗(西).309
○2018年
1秋山翔吾(西).351
2近藤健介(日).349
3柳田悠岐(ソ).347
4吉田正尚(オ).311
5中村奨吾(ロ).306

 ソフトバンク柳田悠岐は、昨年の前半戦終了時には3冠王の期待がかかる活躍だったが、9月20日に右脇腹を怪我し、戦線離脱した。今年もここまでは好調だ。

 西武の秋山翔吾は、昨年も前半戦ですでに100安打していたが、今年は昨年より14本も安打が多い。自身が持つNPB記録216安打の更新が期待される。

 西武の山川穂高は、昨季後半戦の成績に限れば3冠王だった。今年もその勢いを持続して、前半戦の本塁打と打点の2冠。同じような体形の大先輩、中村剛也に代わって主軸打者として活躍している。

投手の個人成績は…

【投手成績】

・勝利数5傑
○2017年
1則本昂大(楽)9
2東浜巨(ソ)8
2菊池雄星(西)8
4金子千尋(オ)7
4ディクソン(オ)7
4バンデンハーク(ソ)7
4千賀滉大(ソ)7
4美馬学(楽)7
4岸孝之(楽)7
○2018年
1ボルシンガー(ロ)11
2石川歩(ロ)9
2アルバース(オ)9
2多和田真三郎(西)9
5岸孝之(楽)8
5上沢直之(日)8
5菊池雄星(西)8

・セーブ数5傑
○2017年
1松井裕樹(楽)27
1サファテ(ソ)27
3平野佳寿(オ)19
3増田達至(西)19
5増井浩俊(日)14
○2018年
1増井浩俊(オ)22
2内竜也(ロ)21
3森唯斗(ソ)17
4トンキン(日)12
5増田達至(西)11

・ホールド数5傑
○2017年
1シュリッター(西)26
2ハーマン(楽)23
2牧田和久(西)23
4谷元圭介(日)21
5黒木優太(オ)20
5岩嵜翔(ソ)20
○2018年
1山本由伸(オ)22
2宮西尚生(日)17
3松永昂大(ロ)16
3石川直也(日)16
5吉田一将(オ)15
5加治屋蓮(ソ)15
5大谷智久(ロ)15
5黒木優太(オ)15

・奪三振数5傑
○2017年
1則本昂大(楽)134
2菊池雄星(西)115
3東浜巨(ソ)92
4岸孝之(楽)90
5美馬学(楽)83
○2018年
1則本昂大(楽)109
2岸孝之(楽)103
3菊池雄星(西)82
4バンデンハーク(ソ)81
5上沢直之(日)80

・防御率5傑(規定投球回数以上)
○2017年
1菊池雄星(西)2.03
2岸孝之(楽)2.10
3美馬学(楽)2.46
4東浜巨(ソ)2.48
5ウルフ(西)2.63
○2018年
1岸孝之(楽)1.85
2ボルシンガー(ロ)2.16
3上沢直之(日)2.22
4石川歩(ロ)2.38
5アルバース(オ)2.41

 投手陣で何といっても目を引くのは、サファテの不在、だ。これによってソフトバンクの優位は崩れ、パ・リーグは混戦模様になっている。

 対照的に日本ハムからオリックスに移籍したクローザー増井浩俊の活躍が、チームを押し上げていると言えよう。

 今季はロッテのボルシンガー、オリックスのアルバース、日本ハムのトンキンと新外国人投手の活躍も目立つ。

 後半戦、パ・リーグの勢力図はどのように変化するだろうか。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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