20年平和マラソンへ始動 被爆75年11月実行委が設立 コース案を承認

 被爆75年の節目を迎える2020年に、初めて長崎市内でフルマラソン開催を目指す「長崎平和マラソン実行委員会」の設立総会と第1回総会が17日、長崎市内であった。総会でコース案や大会概要などが承認され、開催に向け本格始動する。
 平和マラソンは、被爆地長崎から核兵器廃絶と世界平和の実現に向けたメッセージを訴える。同市のスポーツ振興や地域活性化も目指す。開催日は2020年11月29日で、参加者は国内外から最大1万人を見込む。
 実行委は、同市の田上富久市長を会長とし、交通や経済団体、学校などの関係者44人で構成。総会で発表されたコース案は、長崎港を一周。坂の街、長崎ならではの60メートルの高低差や、世界遺産を間近に感じることができる。発着点は長崎原爆の爆心地に近い市営陸上競技場周辺。グラバー園や小菅修船場跡の付近を通過後、小ケ倉地区まで南下して折り返す。女神大橋を経由して西側の神ノ島地区へ。世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産「ジャイアント・カンチレバークレーン」を眺めながら走ることができる。
 田上市長は「参加した一人一人が平和を形にし、世界中に平和を発信するイベントにしたい」と述べた。
 実行委によると開催費用は総額2億円を超えるという。次回総会は来年3月を予定。実行委は平和を発信する方法や、親子で参加できるコースなどを検討する方針。

長崎平和マラソンのコース案
長崎平和マラソン実行委員会の会則や開催スケジュールなどについて承認した総会=長崎市、ホテルニュー長崎

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