はれのひ元社長再逮捕 仕入れ先への支払い滞納常態化か

 成人の日に晴れ着トラブルを起こした振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」(横浜市中区、破産)の銀行融資詐取事件で、詐欺罪で起訴された同社元社長(55)が「(晴れ着などの)仕入れ先への支払いが滞っても問題ないと思っていた」と供述していることが18日、捜査関係者への取材で分かった。

 仕入れ先に、金額の一部を納めていれば取引が継続する業界の寛容な商習慣や、業者の温情を逆手に取っていたとみられる。同社の破産管財人によると、同社は仕入れ先などへの債務約1億8千万円を返済しないまま破産している。

 県警は同日、別の銀行からも融資金を詐取したとして、同容疑者を詐欺容疑で再逮捕した。再逮捕容疑は、2016年9月9日、新規出店など事業拡張に伴う融資名目で、売上高を粉飾した15年9月期の決算書類など虚偽の財務書類を提示し、東京に本店がある銀行から約3千万円をだまし取った、としている。捜査関係者によると、容疑を認めている。この銀行には16年10月と11月に計約500万円を返済していた。

 これまでの捜査で、同社は債務超過の事実を隠し、10の金融機関から計約6億円の融資を受け、うち約3億円が未返済になっていることが分かっている。捜査関係者によると、同容疑者は「何とか成人式に晴れ着を提供するために融資が必要だった」との趣旨の説明をしている。一方で、同容疑者は15、16年9月期の2年間で計約9千万円の高額報酬を得ていたとみられる。

 県警は今年6月、横浜市に本店がある銀行から融資金3500万円を詐取した疑いで同容疑者を逮捕。横浜地検が今月13日、詐欺罪で起訴した。

神奈川県警本部

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