炎天下で働く高齢者

 毎日強烈な暑さが続く。日中に屋外を歩いていると、太陽にじりじり焼かれているような気分になる▲屋外で仕事をしている人は特につらいだろう。そう思って身近な工事現場に目をやると、65歳以上の高齢者ではないかと思える人が少なからず働いている▲日焼けした顔に深いしわが刻まれていたり、ヘルメットから白髪がのぞいていたり。長袖、長靴という格好は、安全確保上必要なのだろうが、本人は暑苦しいだろう。体調面で大丈夫か心配になる▲2017年度の統計によると、本県の65歳以上の有業率は23・5%。65~69歳のうち5万5千人が、70~74歳のうち2万4千人が、何らかの仕事をしている。人手不足の中で、高齢者も働き手として経済活動の一端を担っている▲その中には工事現場で働く人もいる。炎天下に立ち尽くしで、体力的に無理をしていなければよいのだが。歩道をふさぐ工事現場で歩行者の交通整理をしている高齢男性と目が合い、お体に気を付けてと心の中で声を掛ける▲やはり、猛暑が続く中で一番注意をしたいのが熱中症だ。特に高齢者は、体内の水分量が減少している上、加齢に従って喉の渇きを感じにくくなると聞く。皆さん十分ご承知のことだろうが、屋外で働く人も、室内にいる人も、小まめな水分補給を心掛けたい。(泉)

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