吉田町の“仲間”支援 町内会有志が愛媛へ 西日本豪雨

 西日本豪雨の被災地を支援しようと、飲食店や画廊が連なる横浜市中区の吉田町(よしだまち)が動きだした。町内会の有志が19日、「愛媛ミカン発祥地」とされる愛媛県宇和島市吉田町(よしだちょう)へ救援物資とともに出発。町内会は「交流はなかったが、同じ町名の縁から支援を決めた」と力を込める。

 宇和島市吉田町は、日当たりの良い急斜面を生かしてミカンを栽培している名産地。山が住宅地に迫り、土砂崩れが相次いで多くの死者が出た。JAえひめ南(同市)によると、今回の豪雨では急傾斜地のミカン畑(約2千ヘクタール)が大規模に崩落。農道が至る所で寸断されたことから、被害の全容がつかめていない。

 横浜の吉田町町内会館には町内外から寄託された救援物資が集まった。第1陣として19日、キッチン&バー「バレルポッド」が販売する横浜土産のスイートポテト「みなとねこ」をはじめ、カップ麺やご飯、みそ汁などの食料品、スポットエアコン、蚊取り線香などをトラックに積み込んだ。

 同町は2004年の新潟県中越地震で同県吉田町(現在は燕市に合併)を支援したことを皮切りに、被災地支援に積極的に取り組んでいる。11年の東日本大震災では帰宅難民に町内会館を開放したほか、宮城県石巻市と女川町の避難所に菓子や救援物資を届けた。16年の熊本地震でもバーの常連客らの協力で被災地に支援物資を届けている。

 今井大会長(72)は「吉田町青年部の働き掛けで、町内外の仲間たちから数多くの支援の申し出を受けることができた。今後も息の長い支援を検討したい」と話している。

愛媛県宇和島市吉田町への救援物資を積み込む吉田町の人たち=19日、横浜市中区

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