ホンダ 新型CR-Vがいよいよ受注開始!気になるその詳細を徹底解説!

ホンダ 新型CR-V(北米仕様)

2018年、ホンダのミドルサイズSUV「CR-V」が国内復活

ホンダ 新型CR-V(北米仕様)

ホンダは国内SUVのラインナップとして、コンパクトクラスのヴェゼルを用意しているが、ミドルサイズクラスは今のところ設定されていない。以前はCR-Vを販売していたが、2016年に4代目の生産を終えると、5代目の国内販売は見送られた。それ以降、CR-Vは海外向けの車種になっていた。

しかし2018年に、改めてCR-Vの国内販売を再開することになった。背景には昨今のSUV人気があり、ホンダでは「新型CR-Vは50代のお客様をターゲットにする」と述べている。

独自調査した結果、5代目CR-Vの国内発売は2018年8月30日とみられる。ただしハイブリッドは10月末に遅れて、納期は11月以降になってしまう。それなのに販売店では、事前の受注を2018年7月中旬に開始して、メーカーに注文も入れている模様だ。販売店に出向くと、受注をしているのに価格の一覧が用意されない不親切な状態だったが、概要は一応把握できた。

新型CR-V、気になるパワートレインは!?

米ホンダ 新型CR-V

まずパワーユニットは、直列4気筒1.5リッターのVTECターボと、i-MMDと呼ばれる2リッターのハイブリッドの2種類。この組み合わせは、基本的にはステップワゴンと共通だが、1.5リッターターボはシビックと同等に動力性能を高める可能性が高い。

そして駆動方式は、両方のパワーユニットに前輪駆動の2WDと4WDがある。i-MMDと4WDの組み合わせは新型CR-Vが最初だ。1.5リッターターボには、2列シート仕様の5人乗りと、3列シート仕様の7人乗りを設けた。

新型CR-V、気になるグレード・価格構成は!?

東風ホンダ CR-V上海モーターショー

新型C-RVのグレード構成は、EXと上級のEXマスターピースに分類され、それぞれに2WDと4WD、さらに1.5リッターターボでは2/3列シートを選択できる。グレードは2種類でも、組み合わせは豊富だ。

主な装備内容として、ベーシックなEXにも緊急自動ブレーキを作動できる安全装備のホンダセンシング、サイド&カーテンエアバッグ、ホンダインターナビ&リンクアップフリー(通信機能を備えたカーナビ)、運転席パワーシート、18インチアルミホイールなどが標準装着される。

上級のEXマスターピースには、本革シート、電動パノラミックガラスサンルーフ、ハンズフリーアクセスパワーテールゲート(テールゲートの下側で足を出し入れするとテールゲートが開閉する機能)などを標準装着する。

販売店で調べた新型CR-Vの価格(参考値)は以下の通り

※価格は独自調査による参考値

ハイブリッドの価格は、1.5リッターターボに比べて約55万円高い。ステップワゴンの1.5リッターターボとハイブリッドの差額は、装備の違いを補正すると約47万円だ。同じホンダのオデッセイでは、2.4リッターの直噴エンジンとの比較になるが58万円に拡大する。このあたりはライバル車との競争関係も踏まえて戦略的に決められ、ステップワゴンは、ヴォクシー/ノア/エスクァイアに対抗すべく、ハイブリッドを少し割安にした。

ハイブリッドのi-MMDは、発電機と駆動用モーターを搭載して、通常の走行ではエンジンが発電機を作動させ、そこで生まれた電気を使ってモーターを駆動する。そして穏やかな高速巡航時には、効率を向上させるため、エンジンがホイールを直接駆動する制御も行う。

そして駆動をモーターに任せれば、エンジンは発電機の作動に集中できるから、効率を大幅に高められる。従ってi-MMDは、動力性能や車両重量の割に燃費を向上させやすい。ハイブリッドシステムの中でも、特に高度な制御を行うので、約55万円の価格でも割高感はない。

新型CR-VをライバルのハリアーやCX-5、フォレスターなどと徹底比較

米ホンダ 新型CR-V
米ホンダ 新型CR-V

次はライバル車と比べてみたい。ここではトヨタ ハリアー、マツダのCX-5とCX-8、スバル フォレスターを取り上げる。

まず新型CR-Vの1.5リッターターボを搭載したEXに相当するグレードは、ハリアーであれば、2リッターのガソリンエンジンを搭載するプレミアムだ。新型CR-Vが少しパワフルだが、ハリアーの2リッターターボとは性能が違いすぎて比較できない。いっぽう、2リッターガソリンノンターボのハリアープレミアムは、価格が324万9720円だ。新型CR-Vと条件を合わせるべくハリアーにカーナビを加えると、355万円くらいになる。新型CR-Vの1.5リッターターボEXは327万3480円だから、ハリアーは価格が30万円ほど高い。その代わりハリアーは質感も優れているので、妥当な価格差といえるだろう。

ハリアーのハイブリッドには、後輪をモーターで駆動する4WDが装着され、プレミアムの価格は407万4840円だ。カーナビを装着すると437万円くらいになる。新型CRーVハイブリッドEXの4WDは404万3520円で、ハリアーとの価格差は33万円といったところだ。

CX-5では、2WDの25S・Lパッケージが298万6200円で設定される。7インチWVGAセンターディスプレイが標準装着されるから、ナビゲーション用SDカードプラス(4万8600円)を購入すればカーナビとして使える。そうなると327万3480円の新型CRーV・EXよりもCX-5が割安な印象だ。

一方、上級車種のCX-8は、クリーンディーゼルターボを搭載して、最上級の2WDのXD・Lパッケージが395万8200円になる。カーナビのSDカードプラスを加えて約400万円だ。新型CR-VハイブリッドEXマスターピースは418万8240円とされ、CX-8を少し上まわった。

このほかフォレスターは、2リッターのe-BOXER(ハイブリッド)が、ドライバーモニタリングシステムなども標準装着して309万9600円。駆動方式は4WDで、カーナビを加えても340万円くらいだから、機能や装備と価格のバランスでいえばフォレスターが明らかに安い。

果たして新型CR-Vの日本仕様は、どのようにグレードアップされているのか

ホンダ新型CR-Vプロトタイプ

このように見てくると、新型CR-Vの価格設定は、CX-8やハリアーに近い水準となる。以前雪上で試乗したプロトタイプは、走行性能は優れていたが、日本国内の位置付けは日産 エクストレイル/フォレスター/CX-5といったミドルサイズSUVのグループに入ると感じた。

果たして発売の迫った日本仕様は、どのようにグレードアップされているのか。前述のように新型CR-Vはすでに受注を開始したが、読者諸兄が購入を検討しているなら、試乗した上で結論を出されるのが良いと思う。

[レポート:渡辺 陽一郎]

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